メーカー各社の遮熱塗料ベスト5を徹底比較!省エネ効果&コスパは?

メーカー各社の遮熱塗料ベスト5を徹底比較!省エネ効果&コスパは?

建築用の遮熱塗料は各塗料メーカーが販売しています。
その中でもよく使われている代表的な商品を5つ挙げてみました。

  1. 日本ペイント「サーモアイ」
  2. エスケー化研「クールタイト」
  3. 関西ペイント「アレスクール」
  4. ミラクール「ミラクール」
  5. 日本特殊塗料「パラサーモ」

今回はこの5つの遮熱塗料を効果や費用面で比較してみましょう。

 

ちなみに今回の比較をまとめた総合ランキングは、以下のとおりです。

 

遮熱塗料総合ランキング

 

選ぶ時の参考にしてみてください。

 

遮熱塗料は特殊な塗料なので、塗装会社によっては扱ったことがないこともあります。
熟練した業者を見つけるには、インターネット経由で紹介してくれるサイトが便利です。

ヌリカエというサイトでは、専門の担当者があなたの地域で遮熱塗装に精通した業者を紹介してくれますよ。

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また東京23区などの都市部では、遮熱塗料による塗り替えリフォームをすると補助金がでるケースがあります。
ヒートアイランド対策として遮熱塗装が推進されているのですね。
遮熱塗装工事で自治体の助成金・補助金を受け取る流れについては、以下⬇の記事で詳しく解説しています。

 

省エネ効果の比較|環境省の実証実験から

まず遮熱塗料の一番の特徴として、省エネ効果が挙げられますね。
真夏の日光を反射することで、室内の温度上昇を抑えることができます。
結果としてエアコンなどの電気料金が節約できるという効果が期待できるのです。

電気料金の変化
ミラクール F200 ▲15,123円
パラサーモ シリコンS ▲12,023円
サーモアイ Si ▲11,982円
クールタイト Si ▲8,824円
アレスクール 1液F ▲8,164円

この表は環境省が行った遮熱塗料の実証実験データを元に作成しました。
夏季(6~9月)の冷房負荷低減効果によって、どのくらいの電気料金が節約できたかを計算しています。

販売しているメーカー各社ではなく、国が行った中立的な実験ですから、信頼性は高いですね。
この実証実験によれば、各社とも一定の電気料金削減効果が見られますね。
効果の高い順にランキングすると以下の通りです。

  1. ミラクール
  2. パラサーモ
  3. サーモアイ
  4. クールタイト
  5. アレスクール

次は価格面での比較をしていきましょう。

価格面の比較|遮熱塗料は高い?

遮熱塗料とひとくちに言っても、合成樹脂の違いにより価格が異なります。
例えばサーモアイだけでも以下の通り3種類の商品があり、価格が違いますね。

  • サーモアイUV(ウレタン系):3,490円
  • サーモアイSi(シリコン系):3,930円
  • サーモアイ4F(フッ素系):4,610円

今回はもっとも普及しているシリコン系遮熱塗料で、価格面の比較をしてみましょう。

㎡あたり単価
パラサーモ 3,600円
アレスクール 3,700円
クールタイト 3,750円
ミラクール 3,800円
サーモアイ 3,930円

上表で見られる通り、シリコン系遮熱塗料では1㎡あたり4,000円未満で施工できます。
一般的なシリコン塗料と比較すると価格は高いですが、省エネ効果を考えればオトクと言えるでしょう。
価格面でのランキングは以下の通り。

  1. パラサーモ
  2. アレスクール
  3. クールタイト
  4. ミラクール
  5. サーモアイ

市場シェアの比較

ここまでは、塗料そのものの遮熱効果や価格面の比較をしてきました。
そしてここから、メーカー各社の市場シェアを比べてみましょう。

遮熱塗料メーカー市場シェアグラフ

  • 日本特殊塗料(15%)
  • エスケー化研(15%)
  • 日本ペイント(10%)
  • その他(60%)

「遮熱塗料」市場は150億円、1万1200トン :: リフォーム産業新聞
建築用の遮熱塗料では、日本特殊塗料・エスケー化研・日本ペイントの各社が3強と言える状況ですね。
これらのメーカーは遮熱塗料以外にも一般的な建築用塗料を販売しているので、どんな塗装業者でも扱ったことがあります。
業者にとっても馴染み深いメーカーのほうが、より安心して任せることができますね。
ランキングは以下の通り

  1. 日本特殊塗料
  2. エスケー化研・日本ペイント

遮熱塗料メーカー総合ランキング

これまでの比較ランキングをまとめてみました。

省エネ 価格 シェア
日本ペイント「サーモアイ」 3 5 2
エスケー化研「クールタイト」 4 3 1
関西ペイント「アレスクール」 5 2 3
ミラクール「ミラクール」 1 4 3
日本特殊塗料「パラサーモ」 2 1 1

すべての順位をポイント換算して、総合ランキングを以下の通り決定しました。

日本特殊塗料「パラサーモ」(70pt)
エスケー化研「クールタイト」(50pt)
ミラクール「ミラクール」(50pt)
関西ペイント「アレスクール」(40pt)
日本ペイント「サーモアイ」(40pt)

それぞれの遮熱塗料の特徴まとめ

ここでは比較対象とした遮熱塗料の、それぞれの特徴をカンタンにまとめてみました。

日本特殊塗料「パラサーモ」

パラサーモ

-パラサーモ外壁用N見本帳より引用-

塗装部位 屋根
外壁
種類

ウレタン

シリコン

フッ素

無機

ラジカル制御

カラー 22色
艶有り
水性
設計価格 1,900円/㎡~
メーカー 日本特殊塗料株式会社 -塗料事業本部-
遮熱塗料のパイオニア
コスパNo.1
無機・ラジカル制御も

日本特殊塗料は国内メーカーの中では、遮熱塗料を初めて商品化したことで有名です。
その日本特殊塗料のパラサーモの特徴は、設計価格1,900円/㎡というコストパフォーマンス。
価格と遮熱性能の両面が評価されて、国内No.1のシェアを誇っています。
種類のバラエティも豊富で、ウレタン〜無機まで溶剤タイプが揃っています。
外壁向けのパラサーモもウレタン、シリコン、フッ素の中から選べます。

関西ペイント「アレスクール」

アレスクール

-アレスクール家庭向けパンフレットより引用-

塗装部位 屋根
外壁
種類

ウレタン

シリコン

フッ素

カラー 40色
艶有り
水性
設計価格 3,300円/㎡~
メーカー 関西ペイント
下塗り材にも高反射率素材を配合
ガルバリウム屋根にピッタリ
40色から自由に選べる

関西ペイントのアレスクールの特徴は、専用の下塗り材(アレスクールプライマー)にも赤外線を反射する顔料が配合されていること。
上塗りと下塗りの両面で太陽光を効率よく反射することができるのです。
またアレスクールプライマーには防錆成分も含まれているので、トタンやガルバリウム鋼板などの金属製屋根にも相性が良いですね。

エスケー化研「クールタイト」

クールタイト

-クールタイトシリーズ(エスケー化研カタログ)より引用-

塗装部位 屋根
外壁
種類

ウレタン

シリコン

フッ素

カラー 41色
艶有り、3分艶
水性
設計価格 3,450円/㎡~
メーカー エスケー化研
低汚染性で汚れに強い
遮熱性能が長続きする
艶消しも選べる

エスケー化研「クールタイト」の特徴は、低汚染性樹脂を配合しているので汚れに強いということが挙げられます。
汚れに強いというのは美観を保つだけでなく、遮熱性能が長続きするというメリットがありますね。
また通常の遮熱塗料は艶ありのみですが、このクールタイトは3分艶や艶消し(フッ素系のみ)もラインナップされています。
より多彩な表現ができるというのが魅力ですね。

日本ペイント「サーモアイ」

サーモアイ

-THERMOEYE SERIESカタログより引用-

塗装部位 屋根
外壁
種類

アクリル

ウレタン

シリコン

フッ素

カラー 40色
艶有り
水性
設計価格 3,490円/㎡~
メーカー 日本ペイント
下塗り材で効率的に反射
スレート屋根にもトタン屋根にも
舗装面にも使える

日本ペイント「サーモアイ」は、専用の下塗り材と組み合わせることで効果を発揮する遮熱塗料です。
ラインナップが豊富なので、スレート屋根からガルバリウムなどの金属製屋根まで幅広く使えます。
また駐車スペースなどの舗装面に使えるタイプも揃っているので、家全体を遮熱化することも可能。
カラーバリエーションもホワイト~ブラックの40色があり、好みの色を選びやすいですね。

ミラクール「ミラクール」

ミラクール

-株式会社ミラクールHPより引用-

塗装部位 屋根
外壁
種類

アクリル

ウレタン

シリコン

フッ素

カラー 23色
◯(半艶)
水性
設計価格 3,700円/㎡~
メーカー 株式会社ミラクール
住宅~ビルまで幅広く対応
低汚染タイプもあり
最大15年の耐用年数

株式会社ミラクールは遮熱塗料を専門に取り扱っているメーカーです。
会社名も商品名もミラクールなんですね。
特徴としては専門メーカーならではの対応力と施工実績。
住宅だけでなくオフィスビルや工場などの大規模建物でも使われています。

ガイナは遮熱塗料ではなく断熱塗料

遮熱塗料を紹介すると必ず挙げられるのが、日進産業の断熱セラミック ガイナです。
遮熱塗料の市場シェアでも15%と高く、非常に人気がありますね。
今回の比較ランキングの中でこのガイナを取り上げなかったのは、他の遮熱塗料と仕組みが異なるから。
日進産業も遮熱塗料ではなく、断熱塗料という表現を使っていますね。
ガイナの特殊な構造や断熱効果については、別の記事で詳しく解説していきましょう。