リフォーム工事の中でも、屋根に関する工事は特殊な条件があります。
したがって雨漏りなどのトラブルが頻発する工事でもあるのですね。
今回は屋根塗装工事で起きやすいトラブルと、そんなトラブルを回避するための方法をご説明していきますね。
屋根塗装工事をしたあとに、雨漏りや湿気がひどい!
「屋根塗装をした翌日から雨漏りがしてきた」
「なんだか室内がジメジメしている気がする」
こんなときは、屋根塗装工事が失敗している可能性が高いです。
よくあるケースとしては、スレート屋根に再塗装したときに縁切りをしていなかったというもの。
スレート屋根は安価で丈夫なので、現在の住宅のほとんどの屋根で採用されています。
ただひとつ気をつけないのは、再塗装すると屋根材の隙間がふさがってしまうこと。
通常であれば、上図のように屋根材には隙間があって、万が一雨水が浸入した場合でも外に流れ出るようになっています。
しかし屋根材の上から塗装すると、塗料が隙間を塞いで雨水が逃げる場所がなくなります。
この水が一定量たまってしまうと家の内部に浸透して、雨漏り・湿気のトラブルになってしまうのです。
したがって上図のように隙間をあける作業が必要なのですが、これを縁切りといいます。
この縁切りをする/しないで施工品質が大きく異なりますので、スレート屋根の塗装工事では必須と言って良いでしょう。
ただ手抜き工事をするような業者では、この縁切りを省略してしまうことも。
見積りの段階から、この縁切りについての項目が記載されているかチェックしてください。
縁切りの方法としては以下の2つがあります。
現在では手間のかからない、タスペーサーを採用している業者がほとんどのようです。
最近の住宅では平らなスレート屋根が主流ですが、昔ながらの瓦屋根も健在ですね。
ただこの瓦屋根を再塗装したときに、すぐに剥がれてきてしまったというトラブルが目立ちます。
瓦屋根は素材によって主に、
の3種類に分類されます。
粘土瓦は釉薬で着色されているので、基本的に再塗装する必要がありません。
一方、コンクリート瓦やセメント瓦は塗替えが必要です。
ただコンクリート瓦とセメント瓦では、塗料の種類が異なります。
専門業者でもこの違いに気づかずに塗ってしまい、後から剥がれてくるという失敗をすることも。
それぞれの違いについて押さえておきましょう。
コンクリート瓦は別名、
などと呼ばれることもあります。
特徴としては、スラリー層と呼ばれる塗装がされていること。
このスラリー層があることで、普通の塗料を塗っても剥離しやすいのですね。
したがってコンクリート瓦を再塗装するときは、しっかり高圧洗浄してからスラリー層専用のシーラー(下塗材)を塗ります。
代表的なシーラーとして、スラリー強化プライマー(水谷ペイント)が挙げられます。
このスラリー強化プライマーを塗ってから上塗材を塗るというのが、コンクリート瓦の塗装工程です。
ただ最近では大同塗料のハイルーフ マイルドシリコンのように、下塗材が不要の塗料もありますね。
セメント瓦は見た目はコンクリート瓦と似ていますが、スラリー層がありません。
したがって特殊なシーラーを使わなくても塗装が可能です。
といった屋根用塗料が使えますね。
最近はヒートアイランド対策から、遮熱塗料を採用するケースが多いです。
屋根塗装工事を頼んだが、不慣れな職人が瓦を落とすトラブルがあった。
こんな事例もよくあります。
塗装工事の中でも、屋根塗装はかなり熟練した技術が必要です。
このような制約のある屋根塗装工事ですから、一般的な塗装業者では対応できないこともありますね。
したがって屋根塗装を依頼するのは、屋根専門の業者にしておいたほうが良いでしょう。
以前に塗装業者の資格についての記事でも触れましたが、建設業許可には工事種別があります。
通常の塗装業者であれば、塗装工事業の許可をとっているはずです。
しかし屋根専門業者であれば、さらに屋根工事業の許可も必要になってきます。
一件あたり500万円未満の工事であればこの許可は不要なのですが、もちろん屋根工事業の許可を受けている業者の方が信頼できそうですよね。
さらに、
といった専門資格をもっている職人が在籍しているのなら、より信頼できる業者と言えるでしょう。