コンクリート打ち放しの質感を残したまま塗装するには、透明な塗料を使います。
ただコンクリート面の劣化が進んでいたり、ひび割れや汚れがひどかったりする場合は、打ち放し風に仕上げる塗料を上塗りすることもあります。
工費の安い順にあげてみると、
の3種類。
順番に工程や費用について解説していきましょう。
汚れや劣化が少ない場合は、撥水剤を吹き付けるだけのシンプルな塗装で良いでしょう。
撥水剤はコンクリート内部に水が浸透するのを防ぎ、寿命を延ばすことができます。
また汚れを付きにくくする効果があるのですね。
コンクリート打ち放し用撥水剤として代表的なものに、エスケー化研「ミクロンガード」があります。
ミクロンガードを使った見積もり例は以下の通り。
名称 | 仕様 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|---|
1.仮設工事 | |||||
外部足場 | くさび式 ブラケットー側 残置1ヶ月 材工共 | 250 | 架㎡ | 940 | 235,000 |
シート養生 | メッシュシート防炎1類 残置1ヶ月 〃 | 250 | 架㎡ | 460 | 115,000 |
小計 | 350,000 | ||||
2.外壁工事 | |||||
高圧洗浄 | 水洗い程度 手間 | 130 | ㎡ | 240 | 31,200 |
上塗り | ミクロンガード 3回塗り | 130 | ㎡ | 1,650 | 214,500 |
小計 | 245,700 | ||||
合計 | 595,700 | ||||
諸経費 | 合計の20% | 119,100 | |||
総計 | 714,800 |
比較的安価に塗装することができますね。
コンクリート打ち放しは、コンクリートを打設したときの状態がそのまま表面に出てくるので、どうしてもムラや不均一な部分が出ます。
そのような打設時に発生した躯体の色ムラの他に、
といった部分は美観に欠けますよね。
そのようなケースでは、再塗装の際にカラークリヤー塗装をすると良いでしょう。
カラークリヤー塗装はコンクリート打ち放しの色調を整えてくれるので、色ムラ部分のタッチアップ補修材として有効です。
通常は撥水剤を塗布し、その上からカラークリヤー塗装を重ねる工法を採用します。
カラークリヤー塗料には、アクリルシリコン系またはフッ素系があります。
フッ素系のほうが耐久性に優れていますが、価格は高いですね。
今回はアクリルシリコン系のカラークリヤー塗装を施す前提で、見積もり例を出してみました。
名称 | 仕様 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|---|
1.仮設工事 | |||||
外部足場 | くさび式 ブラケットー側 残置1ヶ月 材工共 | 250 | 架㎡ | 940 | 235,000 |
シート養生 | メッシュシート防炎1類 残置1ヶ月 〃 | 250 | 架㎡ | 460 | 115,000 |
小計 | 350,000 | ||||
2.外壁工事 | |||||
高圧洗浄 | 水洗い程度 手間 | 130 | ㎡ | 240 | 31,200 |
上塗り | セラミクリートSi 3分艶クリヤー仕上げ | 130 | ㎡ | 2,500 | 325,000 |
小計 | 356,200 | ||||
合計 | 706,200 | ||||
諸経費 | 合計の20% | 141,200 | |||
総計 | 847,400 |
撥水剤のみの塗装工事よりは費用が高くなります。
このカラークリヤー塗装も、塗ってから10年程度経過してくると、剥がれてきます。
こうなると汚くなってしまうので、定期的な塗り替えは欠かせません。
全体的にコンクリートの状態が劣化していたり、汚れがひどい場合にはカラークリヤー塗装では十分にキレイになりません。
そんなときは打ち放しコンクリート風の塗装を施すことになります。
これをアート処理と呼びます。
アート処理をすれば新築時と同様の外観が復活しますし、木目のテクスチャーを選んだりすることも可能です。
今回はキクスイSA工法というアート処理の見積もり例を出してみました。
名称 | 仕様 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|---|
1.仮設工事 | |||||
外部足場 | くさび式 ブラケットー側 残置1ヶ月 材工共 | 250 | 架㎡ | 940 | 235,000 |
シート養生 | メッシュシート防炎1類 残置1ヶ月 〃 | 250 | 架㎡ | 460 | 115,000 |
小計 | 350,000 | ||||
2.外壁工事 | |||||
高圧洗浄 | 水洗い程度 手間 | 130 | ㎡ | 240 | 31,200 |
下地調整 | 既存塗膜の除去(全面)、汚れ除去、下地調整塗(全面)、研磨紙ずり、パテしごき、研磨紙ずり | 130 | ㎡ | 1,350 | 175,500 |
上塗り | キクスイ SA工法(シリコン仕上げ)FG工法 | 130 | ㎡ | 5,500 | 715,000 |
小計 | 921,700 | ||||
合計 | 1,271,700 | ||||
諸経費 | 合計の15% | 190,800 | |||
総計 | 1,462,500 |
コンクリート面の劣化状態によっては、下地調整の段階でさらに費用がかかることもあります。
これまで見てきたとおり、劣化が進んでしまうと塗装費用が高額になっていきます。
コンクリート打ち放しの外壁は、こまめなメンテナンスが欠かせません。
それほど汚れがない状態なら、費用も安くて済みますからね。
5~10年おきの再塗装をオススメします。
なるべくお金をかけたくないから、DIYで再塗装ができないかな?
と考えているのなら、まず外壁の状態を確認しましょう。
前回の塗装からあまり年数が経っていなく、劣化がほとんど見られない状態ならDIYでも可能性があります。
劣化が少ない場合は、撥水剤を再塗布するというカンタンな作業で済むからですね。
打放しコンクリートに適した撥水剤には、日本ペイント「アクアシール200S」などがあります。
工程としては、以下の通り。
高所作業の際はしっかりと足場を設置して、安全を確保して行ってください。
もしコンクリート面の汚れが目立っていたり、補修が必要なクラックがあるようなときは、DIYで再塗装するのは難しいでしょう。
打放しコンクリートの風合いを再現しながら再塗装するというのは、外壁塗装の中でも難しい部類に入ります。
高度な技術が要求されるので、プロにおまかせしたほうが良いですね。