木の温もりを感じたいという人は、都市部ではかなりの数がいます。
ただ昔ながらの木質壁は、防火性に劣るので都市部の防火地域では使えないという欠点がありました。
最近では木の質感をそのままに防火性・施工性を高めた木質系サイディング壁が販売されています。
そんな木質系サイディングの特徴や塗り替えのタイミングについて解説していきましょう。
木質系サイディングの塗装は、木目をそのまま見せる透明な塗装(クリヤー仕上げ)と、塗りつぶすエナメル仕上げがあります。
それぞれの塗り替え時期の目安を見ていきましょう。
クリヤー仕上げは、塗膜が曇ってツヤが無くなってきたら塗り替えのサイン。
塗り替え時期を過ぎてしまうと、木部が劣化して美観が損なわれてしまいます。
早めの対応が必要ですね。
塗りつぶしているエナメル仕上げの場合は、通常の塗装とほぼ同じです。
チョーキング(白亜化)が見られたら、塗り替えを検討しましょう。
木質系サイディングの塗装工事も、他と同様に下地調整と仕上塗りを行います。
通常の塗装工事では、汚れを落とすために高圧洗浄をしますが、木質系サイディングは水に弱いので行いません。
サンドペーパで研磨することで、汚れや既存塗膜を除去します。
サンドペーパーをかけて表面をザラザラにしておくと、塗料が定着しやすいという効果もありますね。
オイルステインは、木部を色付けするための染料です。
木の中に染み込むので、表面を保護するために別途ワニスなどを塗る必要があります。
以前はエマルジョンパテで下地調整をしてから、仕上げ塗料を塗っていました。
しかし現在は下地も兼用できる合成樹脂調合ペイントがありますから、1種類で完結できるというメリットがありますね。
木質系サイディングのメリット・デメリットについて、カンタンに挙げてみます。
古くから日本の住宅の外壁と言えば板張りでした。
しかし木材の欠点として、防火性能が無いということがありました。
都市部のほとんどの地域では、外壁など延焼のおそれがある部材は防火構造(または準防火構造)にしなければなりません。
したがって燃えやすい木材は、外壁には使えなかったのですね。
しかし平成12年の建築基準法改正により、一定の条件を満たせば、外壁に木材を張っても防火性能があると見なされるようになりました。
(参考:平成12年5月24日 建設省告示第1362号)
この改正以降、気軽に外壁材として木材を使えるようになったのですね。
とても魅力的な木質系サイディングですが、デメリットはそれなりにあります。
現在販売されている木質系サイディングの多くは、耐久性・耐候性に優れたウエスタンレッドシダーが使われています。
塗装なしでも耐久性のあるレッドシダーですが、日当たりの悪い場所や水はけの悪いところでは湿気により腐朽するリスクがあります。
家の立地条件により使用可能かどうか、判断するようにしましょう。
木材表面の劣化を防ぐために、塗装の塗り替えが必要です。
一般的な窯業系サイディングよりも、頻繁に塗り替えするようにしましょう。
ちなみに木質系サイディングを塗装なしで使うと、年を経るごとに色があせてグレー色に近づいていきます。
その経年変化を楽しむという考え方もありますが、できれば塗装しておいた方が木材としての色が保てますね。
木材はどうしても節が弱点になります。
節の周辺が汚れてきたり、割れてきたりということも。
もし割れを放置してしまうと雨漏りの原因となりますから、すぐに張り替えを検討しましょう。
(参考:設計・施工上の全般的なアドバイス | 高広木材株式会社)
おすすめの塗料
木質系サイディングにおすすめの塗料を、いくつか列挙しておきます。
木質系サイディングはメンテナンスの手間がかかる外壁材です。
腐食などのリスクもあるので安易にはおすすめしにくいのですが、そんなデメリットを超える魅力があるのも事実ですね。
ちょっと他の家と差をつけたいと思うなら、木質系サイディングを選んでみてはいかがですか?
まとめ