遮熱塗料で屋根を塗り替えると省エネになる?その効果を実験結果から読み解く

遮熱塗料で屋根を塗り替えると省エネになる?その効果を実験結果から読み解く

屋根の塗装にしゃねつ塗料を使うと省エネになる、という話を聞いたことはありませんか?
ここでは実際に屋根に遮熱塗装をしたときの実証実験をもとに、どのくらいの効果が期待できるのかを解説していきましょう。
加えて代表的な遮熱塗料の紹介や、オトクに遮熱塗装をする裏ワザについても伝授していきますね。

遮熱塗料の効果ってどれくらい?

 

まず気になるのが、遮熱塗料を屋根に塗るとどのような効果が出るのか?という点ですよね。
環境省による実験によれば、一般的な住宅の屋根に遮熱塗装すると真夏の室内温度が2℃下がりました

たったそれだけ?という声が聞こえてきそうですよね。
真夏の日中は30℃超になるのが普通ですから、23℃下がったところで意味がないように思えます。

 

しかしこの2〜3℃が大きな意味を持ってくるのが、月々支払っている電気代
真夏はエアコンをつけっぱなしという家庭も多く、電気代がとても高くなりますよね。

 

そんな真夏に、もし少しでも室内温度が下げられるのであれば、エアコンの設定温度を高くしても大丈夫ということになります。

 

先ほどの実験では電気代の低減効果についても測定していて、夏季(6〜9月)の電気代を約1万2,500円節約できるそうです。
また冬の暖房費節約効果も試算されていて、約1万円。

遮熱塗料の節約効果

一年間であわせて2万2,500円、4年間で10万円の節約となります。
ちょっとした家族旅行もできるくらいの節約効果が期待できますね。

どんな屋根に遮熱塗料がオススメなの?

屋根の種類によって、遮熱塗料の効果が実感できるかどうかは異なります。
遮熱塗料が絶対のオススメ!と言えるのは、金属製の屋根ですね。

  • トタン屋根
  • 折板屋根
  • ガルバリウム鋼板

といった金属屋根は、他の屋根材と比べて熱を伝えやすいのです。

金属屋根の熱伝導性

その蓄えられた熱が伝わって、室内が暑くなってしまうのですね。
したがって金属屋根に遮熱塗装をすれば、かなりの遮熱効果が期待できると言えます。

 

ただ一方で、スレート屋根の場合は遮熱塗装をしてもあまり効果が実感できないという声もあります。
実際に塗装専門店のブログでも、遮熱塗料は勧めていないそうです。

最近は、遮熱塗料に興味を持たれる方も多いですが・・
私の説明により通常の塗料で落ち着く方や塗装自体を見送る方が弊社のお客様です。

引用元:あべ美ーTO :スレート屋根塗装の嘘

このあたりは屋根の材質や住宅の環境によっても変わりますから、信頼の置ける業者さんに相談してみるほうが良いでしょう。

遮熱塗料の色って何を選べば良い?

遮熱塗料の原理は、太陽光を反射して熱を伝えないようにするというもの。
反射率は色によって違いますから、遮熱効果を高めるのであれば色選びが重要になります。

 

基本的には、白に近い明色のほうが反射率が高くオススメです。
ただし明色塗料の弱点として、寿命が短くなるということが挙げられます。
明色は紫外線による劣化が進みやすいのですね。

 

逆に暗色だと劣化しにくいのですが、遮熱効果は落ちます。

 

各メーカーの遮熱塗料には様々な色調がラインナップされていますから、効果や自分の好みなども踏まえて選ぶようにしましょう。

代表的な屋根用遮熱塗料の価格は?

代表的な屋根用遮熱塗料の価格は?
いろいろな塗料メーカーから屋根用の塗料が市販されています。
ここでは一般的によく知られている3種類を挙げておきましょう。

 

エスケー化研「クールタイト」

エスケー化研は、かなり早い時期から遮熱塗料の開発に力を入れています。
特にクールタイトシリーズは、環境省の実証実験でも採用されたほどの代表的な塗料ですね。

単価(円/㎡) 備考
クールタイト 3,450 ウレタン
クールタイトSi 3,750 シリコン
クールタイトF 4,350 フッ素
クールタイトEL工法 5,350 シリコン
5,650 フッ素

 

日本ペイント「サーモアイ」

日本ペイントのサーモアイも、環境省の実証実験を経ている代表的な遮熱塗料です。
下塗り材を含めたトータル開発をしているので、様々な屋根材に使えるのが特徴ですね。

単価(円/㎡) 備考
サーモアイUV 3,490 ウレタン
サーモアイSi 3,930 シリコン
サーモアイ4F 4,610 フッ素

 

日進産業「断熱セラミック ガイナ」

ガイナは他製品より遮熱効果を高めた断熱塗料として有名ですね。
セラミックを混ぜた塗料を厚塗りすることで、断熱効果だけでなく騒音対策にも効果を発揮します。
ただしガイナはかなり特殊な塗料なので、実際に施工をする塗装業者にも独特なノウハウがあります。
実際にガイナを使いたいと思ったら、ガイナを塗った実績のある業者さんに依頼するほうが良いでしょう。

単価(円/㎡) 備考
ガイナ(屋根) 3,600 吹付け
ガイナ(屋根) 3,800 ローラー

ガイナについて、以下の記事で詳しく解説しています。

遮熱塗料は価格が高い!塗り替えをオトクにする裏ワザがあるって本当?

他の塗料より価格が高いのが、遮熱塗料のデメリットです。
そんな価格面のデメリットを解消して、オトクに塗り替えができる裏ワザがあるのはご存知ですか?

 

それは自治体の助成金・補助金を利用すること。

 

大都市圏を中心に、環境対策として屋根や外壁を遮熱塗装するリフォームに一定の助成金を出しているのです。
もしお住まいの市区町村にこのような助成制度があれば、オトクに遮熱塗料での塗り替えができますよ。

 

全国の助成金・補助金については、以下の記事でまとめています。

参考にしてみてください。