令和元年の台風15号・19号など、最近では台風被害が深刻になっていますね。
といった住宅の被害を受けた人も多いことでしょう。
台風などの災害では、火災保険※による保険金が支払われます。
実際の申請手続きや注意点などを見ていきましょう。
なお浸水被害による火災保険の補償内容についても、別の記事で解説しています。
当記事における火災保険とは、住宅を取り巻くさまざまなリスクを総合的に補償するタイプ(住宅総合保険)を指します。
(参考:火災保険|日本損害保険協会
台風被害で保険金が支払われる事例としては、以下のとおり。
また屋根以外でも外壁や外構も対象になります。
建物以外に家財も対象になっている火災保険であれば、家具なども補償の対象になります。
詳しい内容は現在加入している、火災保険の保険証券を確認してみてください。
雨漏りは対象外
「雨漏りも建物のトラブルだから、保険の対象になるの?」
こういった質問を受けることが多いです。
結論から言えば、雨漏りは火災保険の補償対象外になりますね。
雨漏りは災害によるものではなく、経年劣化が原因と判断されます。
したがって火災保険の対象とはなりません。
ただし台風により屋根が破損して雨漏りが発生したケースでは、災害が原因による建物被害なので補償の対象になるのです。
あくまでもケース・バイ・ケースということを覚えておきましょう。
実際に建物の被害が発生してから、保険金の申請はどのようにすればよいのか?
流れをまとめてみました。
保険会社へ電話で連絡する
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屋根修理業者に見積もりを依頼
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請求のための書類を記入して郵送する
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保険会社による審査
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保険金の支払い
各項目を詳しく解説していきましょう。
屋根瓦が飛ぶといった被害が発生したら、まずは保険会社に連絡しましょう。
主要な保険会社では専用の電話番号を設けています。
保険会社 | 電話番号 | ウェブサイト |
---|---|---|
ソニー損保 | 0120-715-155 | 火災保険・保険金請求について|ソニー損保 |
損保ジャパン | 0120-727-110 | 火災保険 インターネット受付/損保ジャパン日本興亜 |
東京海上日動 | 0120-051-021 | 契約者さま専用ページ(マイページ)のご案内 | 東京海上日動火災保険 |
三井住友海上 | 0120-258-189 | 事故のご連絡 | 三井住友海上 |
AIG損保 |
0120-01-9016 0120-981-505 |
「震災・台風・水害」事故報告 入力画面 |
セゾン自動車火災保険 | 0120-251-024 | LINEアカウント |
日新火災海上保険 |
0120-25-7474 0120-24-2787 |
事故受付窓口 |
また電話だけでなく、ウェブサイトやLINEなどで受け付けてくれる保険会社もあります。
発声が不自由な方などは利用してみましょう。
実際の被害額を把握するために、保険会社へ修理のための見積書を提出します。
屋根の修理を専門とする業者へ、見積もり依頼をしておきましょう。
ただ注意しておきたいのが、被害に付け込む悪徳業者の存在。
といった事例が多いです。
得体のしれない訪問業者には注意してください。
後ほど詳しく説明しますが、保険金の請求書などを自分で記入して保険会社へ郵送します。
添付する被害状況の写真などは、修理業者にお願いしたほうが良いでしょう。
郵送が済んだら、自分で行う手続きは終了です。
保険会社は郵送された書類をもとに審査を行います。
基本的には書類審査のみですが、場合によっては保険鑑定人による現地調査をするケースもありますね。
指定の銀行口座へ保険金が支払われます。
火災保険の申請にあたって必要な書類は、以下のとおり。
詳しく説明していきましょう。
被害があってから保険会社へ連絡すると、1~2週間ほどで保険金請求書の用紙が届きます。
上記は大手保険会社の記入例です。
基本的には自分の氏名や証券番号などを書くだけですから、カンタンにできますね。
被害状況を説明するための書類。
この事故状況報告書を電話連絡で済ませたり、前述の保険金請求書と兼ねている会社もあります。
修理業者が作成した見積書を提出しましょう。
このとき見積書のタイトルが「屋根葺き替え工事」や「屋根カバー工法」などの場合、台風被害による修理工事と認められないケースもあります。
「屋根修理工事」など明確なタイトルを付けてもらいましょう。
被害の状態を確認できるような写真を添付します。
被害を受けた建物や家財の全体を撮影した写真(建物の場合は建物の全景写真)
損傷箇所が確認できる写真
このとき自分で屋根に登って撮影するのは、とても危険です。避けてください。
見積もりを依頼した屋根修理業者に、写真撮影もあわせてお願いしたほうが良いでしょう。
屋根修理と火災保険の請求に関する、質問&回答をまとめてみました。
保険金請求書を送ると、すぐに保険会社が訪問して現地調査をすると思っている人も多いです。
基本的に保険会社による審査は、書類での確認だけで済みます。
しかし、
といったケースでは保険鑑定人を交えた現地調査を行うことも。
あくまでも適切な請求をするようにしましょう。
保険金請求書を提出してから、通常であればおおよそ10日~2週間ほどで保険金が振り込まれます。
ただ今回の令和元年台風15号・19号のような大規模災害では、申請が集中するため遅れることもあります。
もし今すぐお金が必要ということであれば、自治体などの緊急融資制度などを利用してみましょう。
いったん受け取った保険金の使い道は、修理工事のための費用として限定されていません。
飲食費やその他生活再建のための資金としても使えます。
急に家の屋根を修理することになって、業者を探すのにも苦労しているかもしれませんね。
悪徳業者に足元を見られないように、良い業者を探す方法をご紹介しましょう。
今回の令和元年台風15号・19号のような大規模災害の場合、自治体による業者のあっせんが行われることがあります。
例えば千葉県では、地元団体と連携してリフォーム業者の紹介を行っています。
まずはこういった制度を利用してみるのも良いでしょう。
もしインターネットを使って手軽に業者を探したいのなら、ヌリカエなどの一括見積りサイトを利用するのが便利です。
登録されているのは一定の審査を受けた優良業者のみなので、安心して地元の会社を探すこともできます。
複数の会社へ一括して見積もり請求ができるので、適正価格が分かりやすいというメリットもありますね。