外壁などのリフォーム工事は、場合によっては数百万円の出費になります。
どうせ払うなら、なるべく安く済ませたい!
というのは人情ですよね。
ただ安かろう悪かろうという言葉がある通り、安ければ良いというものではありません。
極端に安い工事業者の場合、手抜き工事をするリスクがあります。
手抜き工事は時として、深刻なトラブルの原因になってしまうこともあるのです。
手抜き工事の具体例 | 予想されるトラブル |
---|---|
塗料を薄める |
性能不足 塗膜の剥がれ |
塗り回数を減らす |
塗膜の寿命が短くなる 外壁材からの雨漏り |
乾燥時間が短い |
結露 塗膜の膨れ |
ここでは実際の手抜き工事やトラブル事例を踏まえ、事前にトラブル回避する方法について解説しています。
その見積書って本当に適正価格ですか?
また実際に見積書を読んでみて「本当に適正価格なの?」と疑問に思った人もいるかもしれません。
具体的な項目ごとの相場は、「外壁塗装工事の単価まとめ」という記事で詳しく解説しています。
あわせて読んでみてください。
外壁塗装の工事費は外壁の種類・塗料の種類・壁面の広さによって決まります。
きちんとした見積りならば、相場から大きく外れることはないはず。
逆に相場より大幅に安い場合は、手抜き工事を疑った方が良いでしょう。
このような手抜き工事をすると、どんなことが起こるのか?
実際のトラブル事例を見てみましょう。
外壁の塗り直しをする場合は、単に上から塗るだけではすぐに剥がれてしまいます。
このような作業を下地処理(または下地調整)と呼びます。
この下地処理が適切に行われていないと、せっかく塗装しても定着しません。
すぐに剥がれたり、ふくれ・ひび割れが出てきたりします。
契約前にきちんと見積書に下地処理の項目があるかどうか、確認しておきましょう。
最近は工事後の◯年保証を謳っている業者が多いですね。
保証期間があると、なんとなく安心感があるものです。
しかし私の意見を言わせてもらえば、10年超の保証期間をつけているものは疑わしいなぁと思います。
どんなに高性能な塗料を使っていても、塗装の耐用年数は15年ほどです。
建物が建っている環境によっては、もっと短くなってきます。
そんな中で10年超の保証期間をつけるというのは、ビジネスとして現実的ではないですね。
例えば外壁の剥がれに対する保証のみで、変色やひび割れは保証の対象外になっている例があります。
◯年保証といううたい文句を安易に鵜呑みにするのではなく、内容をキチンと確認しておきたいですね。
リフォーム工事を契約するときは、本来であれば請負契約書を取り交わす必要があります(建設業法第十九条)。
ただ個人経営の塗装業者などでは、見積書と請負契約書を兼ねている場合もありますね。
いずれにしても、見積り金額よりも多い金額を請求されたというのは問題です。
追加工事で別途費用がかかるのであれば、事前に説明をして承諾を得なければいけません。
覚えのない費用を請求されたのであれば、見積り金額を超える部分は支払わない旨を伝えておきましょう。
その上で建築士や弁護士などに相談することをオススメします。
リフォーム工事の中でも、屋根・外壁は特に訪問販売による被害が多い部位です。
悪質な訪問販売業者は、勝手に家の外観写真を撮ったり、検査のために屋根に登らせてほしい等の巧みなテクニックで私たちを騙そうとします。
こうした訪問販売業者は基本的に疑った方が良いでしょう。
絶対に安易な契約をしないようにしてください。
また高齢の親が知らないうちに契約していたという場合にも、すぐに対応すればクーリングオフの対象になります。
クーリングオフをできる期間は訪問販売の場合、法定書面(契約書)を受け取ってから8日以内。
疑わしい契約に気づいたら、すぐに行動ニャ!
もし疑問があれば、消費生活センター等で相談してみてくださいね。
悪徳業者に騙されてトラブルにならないように、事前に回避する術を心得ておきましょう。
悪徳業者のごまかしテクニックの一つとして、塗る面積を過大に見積もるというものがあります。
ほとんどの人は外壁の塗装面積については無知なので、多少広く見積もっても分からないからですね。
これを避けるには、まず自分で塗装面積を計算しておく必要があります。
「塗装面積なんて計算できるの?」と思われるかもしれませんが、図面さえあれば誰にでもできますよ。
家の図面は、できれば立面図というのがあれば望ましいです。
立面図とは、家の外観を四方から見た図のこと。
もし立面図がなくても、平面図&断面図があれば同様の計算ができます。
塗装面積を計算する流れとしては、
といった感じです。
基礎の立ち上がりというのは、地面で建物を支えている基礎コンクリートのこと。
通常この部分には塗装しないので、塗り面積から除きます。
開口部の面積を測るのが面倒であれば、外壁の面積 ✕ 0.1 という計算で簡略化できます。
もし外壁面積が200㎡だとしたら、
200 ✕ 0.9 = 180㎡が塗装面積となるわけですね。
もしこのように困っているのなら、住まいるダイヤルなどで相談してみてください。
塗装面積のごまかしと同様に多いのが、塗料をごまかすテクニックです。
というのは前段でもお伝えしましたね。
このような塗料をごまかすテクニックを未然に防ぐには、塗料メーカーの施工仕様を把握しておくことです。
塗料メーカーでは商品ごとに、
といった仕様を公開しています。
メーカーのホームページで閲覧できるので、ぜひ確認してみましょう。
例えば日本ペイントのパーフェクトトップでは、以下の通り。
塗り回数 | 上塗り2回 |
---|---|
使用量 | 0.11~0.17kg/㎡/回 |
塗り重ね乾燥時間 | 3時間以上 |
希釈率 | 3~5% |
塗装方法 |
|
ニッペ パーフェクトトップ(PDF)
この仕様をちゃんと守っているか、現場担当者に確認しておきましょう。
上記の仕様に基づいて、使用量を計算してみます。
とすると、
180 ✕ 0.11 ✕ 2 = 39.6kg
パーフェクトトップは1缶あたり15kgまたは4kgなので、
15kg缶 ✕ 3
または
15kg缶 ✕ 2 & 4kg缶 ✕ 3
という使用量です。
塗装方法や乾燥時間についても、現場で確認するのが望ましいですね。
そもそも見積書に使用塗料が記載されていない、というのは論外です。
このような見積書を出してくる業者は、ごまかしている可能性が高いですね。
どんなに見積もり額が安くても、信用しないように。
塗装工事は足場を組んでの高所作業ですから、下から見てもよく分からないことがあります。
特に屋根の塗り替えでは、作業員以外が現場を確認するのは難しいですね。
そういったときは、作業の様子を撮影してもらうようにしましょう。
最近の塗装会社では、サービスの一環として写真つきの施工報告書を渡してくれることも。
そういった業者は信頼できますね。
このときできれば写真だけではなく、動画で撮影してもらうとベターです。
写真は後から修正できるので、ごまかしやすいのですね。
ごまかしにくい動画のほうが望ましいです。
これまで見てきたとおり、極端に安い見積り金額は疑った方が無難です。
しかし相場が分からないと、安いか高いかという判断はできないですよね。
そこで複数の業者へ見積りを依頼すること(相見積もり)が大事になってくるわけです。
複数の見積りをとって、極端に高い/安い業者は疑いましょう。
さらに専門知識のある第三者からのアドバイスを受けると、なお良いですね。
利害関係のない専門家の意見は頼りになります。
相見積もり&専門家アドバイスを簡単に依頼するには、一括見積りサービスヌリカエを利用すると良いでしょう。
インターネット上で簡単な入力をするだけで、専門スタッフによるアドバイスや見積りサービスを受けられますよ。
\カンタン見積もり無料/
※全国の優良業者と提携