
「業者から外壁塗装工事の見積書をもらったけど、適正かどうかチェックするにはどうする?」
こういった質問をされることがあります。
確かに専門知識がない人が見積書を読んでも、分からない用語だらけですよね。
そこでとりあえずチェックしてほしいのが、各項目の単価が正確かどうか?
相場に比べてあまりにも高い単価であればボッタクリですし、逆に安すぎるのも工事品質などの面で不安があります。
今回は見積書の各項目に焦点を当てて、適正な塗装単価をお伝えしていきますね。
外壁塗装や屋根塗装における見積書の項目別に平均単価をまとめました。
ここで言う単価とは、外壁面積(㎡)あたりの単価、または屋根面積(㎡)あたりの単価です。
仮設工事とは、本工事前に行う足場の組み立てやシート養生の作業を指します。
足場は高所作業の際には必ず設置しなければいけないと、労働安全衛生規則で定められているもの。
この仮設工事の見積もりをおろそかにしている業者は、悪質な会社と判断して間違いないでしょう。
名称 | 仕様 | 平米あたり単価 |
---|---|---|
外部足場 | くさび緊結式足場 | 1,120円~1,180円 |
〃 | 単管足場 | 1,330円~1,670円 |
屋根足場 | 勾配により変動 | 940円~1,130円 |
シート養生 | 防炎1類 | 540円~580円 |
清掃・後片付け | 手間 | 540円 |
また隣の建物と接近しているようなケースでは、シート養生ではなくベニヤ板での養生をすることも。
その分仮設工事費用が増えることに注意しておきましょう。
足場等の仮設構造物は,組立・解体を容易にするため非常に軽い部材で構成されており,接合部はピンやクランプなど簡易なものとなっている。また,飛来・落下物災害等の防止を目的として,足場の外周部はメッシュシート等で囲まれていることが多い。引用元:足場に作用する風荷重の実測調査
外壁材の種類別に単価をまとめました。
かつての木造住宅では定番だったモルタル壁。
最近は安価なサイディングが主流になってきて、すっかり影が薄くなりましたね。
モルタルは塗り壁の一種なので、左官工の手作業で施工します。
したがって職人の熟練度で仕上がりが左右されるのが特徴。
熟練した左官工が少なくなった今、キレイにモルタル壁を塗れる業者は貴重な存在ですね。
名称 | 仕様 | 平米あたり単価 |
---|---|---|
解体・撤去 | 既存モルタル はつり落とし | 1,930円~2,510円 |
補修 | シール充填工法 | 320円~430円 |
〃 | Uカットシール工法 | 750円~1,730円 |
左官下地 | メタルラス張り | 1,020円~1,720円 |
ラスモルタル塗り | 2回塗 | 4,480円~4,860円 |
厚塗材仕上げ | スタッコ仕上げ | 2,780円~3,130円 |
〃 | 櫛引き仕上げ | 3,990円~5,020円 |
現在日本で最も普及している外壁材が、窯業系サイディングと呼ばれるもの。
安価で色々なデザインが楽しめるのが特徴です。
通常であれば20年以上の寿命がありますが、定期的な塗り替えをしないと痛みが早くなってしまいます。
窯業系サイディングは工場出荷時すでに塗装を施してあるので、新築のときは特に塗装処理は行わなくても大丈夫です。 ただ工場で塗装されたものは安価なアクリル塗料を使っていることが多く、塗装の寿命が短いです。 塗装の劣化が目立ってくる6年~8年で塗り替えを検討しましょう。
名称 | 仕様 | 平米あたり単価 |
---|---|---|
下地調整 | 既存塗膜の除去・研磨紙ずり等 | 160円~1,440円 |
仕上げ塗り | 合成樹脂エマルジョンペイント | 1,440円 |
〃 | アクリル樹脂系非水分散型塗料 | 1,280円~1,960円 |
〃 | 耐候性塗料塗り | 2,330円~3,380円 |
また窯業系サイディングの弱点として、壁材のすき間を埋めるシーリングが劣化しやすいこと。
サイディング本体は大きなひび割れが起きない限りは大丈夫なのですが、シーリング部分は本体よりも劣化が進みやすいです。 シーリングが劣化してひび割れ・収縮などが起きると、雨水が壁内部に侵入しやすくなります。 壁内部に湿気が溜まると、木材部の腐食やシロアリ被害のリスクが出てきますね。
こまめなシーリングのメンテナンスも欠かせません。
金属系サイディングとは、近年シェアを伸ばしてきているガルバリウム鋼板などを素材とした外壁材のことです。
軽量で耐久性があり、デザイン性にも優れていると評価が高いです。
とても優れた外壁材である金属系サイディングですが、弱点としてサビに弱いということがあげられます。 新品のときは塗膜もしっかりしていて風雨にも強いのですが、大気中の汚染物質が堆積するとサビや劣化の原因となります。
塗り替えにあたっても、下地調整におけるケレン(研磨作業)が重要になります。
塗り直しの前にはサビを除去する下地調整を行うのですが、この作業を一般にケレンと呼んでいます。 ケレンという用語は、クリーン(Clean)が訛ったものともいわれていますね。
名称 | 仕様 | 平米あたり単価 |
---|---|---|
下地調整 | 既存塗膜の除去・研磨紙ずり等 | 160円~2,280円 |
錆止め塗装 | 鉛・クロムフリー錆止めペイント | 980円 |
〃 | 変形エポキシ樹脂プライマー | 400円 |
仕上げ塗り | 合成樹脂調合ペイント | 1,140円~1,560円 |
〃 | 耐候性塗料 | 2,010円~2,870円 |
また窯業系サイディングと同様に、シーリングのメンテナンスも行いましょう。
自然の木の風合いが楽しめる木質系サイディング。
ただ自然素材の宿命として、色あせなどの劣化が進みやすいという欠点があります。
ちなみに木質系サイディングを塗装なしで使うと、年を経るごとに色があせてグレー色に近づいていきます。 その経年変化を楽しむという考え方もありますが、できれば塗装しておいた方が木材としての色が保てますね。
名称 | 仕様 | 平米あたり単価 |
---|---|---|
下地調整 | 既存塗膜の除去・研磨紙ずり等 | 190円~1,050円 |
仕上げ塗り | 合成樹脂調合ペイント | 700円~1,130円 |
〃 | オイルステイン | 600円~920円 |
〃 | 木材保護塗料 | 1,370円~1,770円 |
共通する部分工事として、塗装前の高圧洗浄は大切です。
汚染部分を微視的に観察した結果,付着物質に関しては粘土粒子,細砂,すす,カビ,コケ,鉄サビなどの多種の物質が推定され,ある物質が単独で存在するケースはまれであり,発生か所,材質によりその種類は異なり,非常に複雑であることが確認された。
表面の汚れをしっかり落としておくことで、塗装の品質が上がるのですね。
名称 | 仕様 | 平米あたり単価 |
---|---|---|
高圧洗浄 | 水洗い程度 | 250円 |
シーリング撤去 | 手間 |
460円 (1メートルあたり) |
シーリング打設 | ノンブリードタイプ |
930円~970円 (1メートルあたり) |
外壁の塗装というと壁だけに目が行きがちですが、軒天(軒裏)や破風板といった付帯部分についてもチェックしておきましょう。
名称 | 仕様 | 平米あたり単価 |
---|---|---|
軒天塗装 | 合成樹脂エマルジョンペイント 2回塗 | 1,440円 |
〃 | アクリル樹脂系非水分散型塗料 2回塗 | 1,420円 |
破風板塗装 | 合成樹脂調合ペイント 2回塗 |
770円 (1メートルあたり) |
軒天の張替え | 化粧ケイ酸カルシウム板 | 4,770円~5,540円 |
破風板・化粧鼻隠しの張替え | 化粧ケイ酸カルシウム板 |
2,490円~3,160円 (1メートルあたり) |
悪徳業者になると、「付帯工事は見積書にないから別料金」というふうに追加費用を請求してくる場合も。
契約前にキチンと確認しておきたいですね。
外壁塗装の工事費用は、塗料のグレードによって大きく左右されます。
ここではよく使われている塗料の種類ごとに、代表的な商品と設計価格(材工共)を見ていきましょう。
ラジカル制御型というのはシリコン樹脂をベースに改良された塗料で、耐久性に優れています。
安価ながら耐用年数が長く、コストパフォーマンス抜群と注目されていますね。
商品名 (メーカー) |
特徴 | 平米あたり単価 |
---|---|---|
パーフェクトトップ (日本ペイント) |
シリコンを超える耐久性を発揮する戸建て住宅用塗料 | 3,000円~ |
エスケープレミアムシリコン (エスケー化研) |
低価格ながら15年という耐用年数を実現 | 2,050円 |
アレスダイナミックTOP (関西ペイント) |
4段階の艶を選べるバリエーション豊かなラジカル制御型塗料 | 3,100円~ |
ラジカル制御型塗料の代表的な商品としてパーフェクトトップがありますが、その他のメーカーも類似商品を出しています。
色や艶の選択肢も豊富に揃っていますから、イメージに合ったものを選んでみましょう。
フッ素樹脂系塗料は非常に安定していて、耐久性・防汚性に優れています。
商品名 (メーカー) |
特徴 | 平米あたり単価 |
---|---|---|
ファイン4Fセラミック (日本ペイント) |
サイディングでもモルタル壁でも汎用的に使えるフッ素系塗料 | 2,830円~6,650円 |
水性クールテクトF (エスケー化研) |
近赤外線を反射する機能を持つ外壁用遮熱塗料 | 3,400円 |
ミラクールF200 (ミラクール) |
高性能・高耐候性・遮熱性を兼ね備えたフッ素系塗料 | 4,600円~ |
価格はやや高くなるものの、費用対効果は高いと言えるでしょう。
光触媒塗料とは、酸化チタンの働きを利用して自己洗浄(セルフクリーニング)を行う新世代の塗料です。
商品名 (メーカー) |
特徴 | 平米あたり単価 |
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バイオミミックコート (バイオミミック) |
低価格ながら高機能かつ施工性の良い光触媒コーティング塗料 | 3,500円 |
ピュアコート (ピアレックス・テクノロジーズ) |
打ち放しコンクリート面・ガラス面にも使える | 2,800円~ |
オプティマスホワイトペイント (オプティマス) |
マット感のある美しい白色の光触媒塗料 | 5,500円 |
商品名 (メーカー) |
特徴 | 平米あたり単価 |
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水性サーモアイウォールSi (日本ペイント) |
シリコン系ながら高反射率を実現した遮熱塗料 | 2,720円~3,920円 |
アレスクールプラスウォール (関西ペイント) |
特殊な中塗材を用いた遮熱&断熱工法 | 5,800円 |
ガイナ(快適環境) | 特殊セラミックを含有した断熱塗料の定番商品 | 3,600円~ |
遮熱技術の導入が最も効果的なのは日射透過性が高い開口部であるが、外皮に占める面積の比率が高い外壁及び屋根等の不透明部位についてもその導入は重要である。外壁、屋根に対して、断熱・気密だけでなく遮熱技術をバランスよく導入することにより、冬季のみならず、夏季の温熱環塊と省エネルギーを推進することができる。