窯業系サイディングの塗装|塗り替える時のポイント【見積り例】

窯業系サイディングの塗装|塗り替える時のポイント【見積り例】

窯業系サイディングの塗装|塗り替える時のポイント【見積り例】

窯業 サイディング 塗装
昔の木造住宅というとモルタル壁がほとんどでしたが、最近はサイディング壁が大勢を占めています。
サイディング壁の中でも特に多い、窯業系サイディングの塗装工事について解説していきましょう。

 

窯業系サイディングについて

窯業系サイディングとは、主にセメントを原料として工場で成形されたサイディング壁のことです。

 

施工やメンテナンスが簡単なので、近年の住宅建築では主流となっている外壁材ですね。
シェアは70%以上を占めるので、最近建てられた戸建て住宅のほとんどが窯業系サイディングといって良いでしょう。

 

窯業系サイディングは工場出荷時すでに塗装を施してあるので、新築のときは特に塗装処理は行わなくても大丈夫です。
ただ工場で塗装されたものは安価なアクリル塗料を使っていることが多く、塗装の寿命が短いです。
塗装の劣化が目立ってくる6年~8年で塗り替えを検討しましょう。

 

塗り替えのさいに仕上塗料をある程度のグレード(シリコン等)にすれば、塗装の寿命は10年以上と長くなります。

 

また20年以上経過するとサイディングそのものの寿命がくるので、壁の張り替えとなることが多いです。

塗り替え時期の目安はチョーキング(粉が吹く)

窯業系サイディングの塗り替え時期のサインとして、もっとも一般的なのがチョーキングです。
手で外壁を触ったとき、手のひらに粉が付いてくるようであれば、塗装が剥がれ始めてきたしるし。

 

モルタル壁の場合は部分的な塗り替えができますが、サイディングの場合は一般的に全面塗り替えとなります。

 

塗料の種類により耐久性や防汚性に違いがありますが、概ね価格が高いものほど耐久性に優れています。

 

とくに一番上に塗る仕上塗材のグレードは、美しさや建物の寿命に直結するので、慎重に選びましょう。
ただ窯業系サイディングといっても材質に違いがあり、メーカーによって指定されている塗料があるケースもあります。

 

経験豊富な業者ならノウハウを持っているはずですよ。

 

また窯業系サイディングの場合、外壁そのものよりも重要なのがシーリングです。

シーリングの点検・補修はこまめに行おう

シーリングは外壁材と外壁材の間を埋める目地のこと。
サッシや換気口の周りにもシーリングが充填されています。

窯業 サイディング 塗装

シーリングはすき間から水や湿気が入り込まないようにするという、大事な役割があります。
もともとはゴムのような弾力があり、すき間を伸び縮みして埋めているシーリング。
しかし長年紫外線や熱にさらされていると、シーリングの柔軟性が失われてひび割れが出てきます。
こういった状態になると、壁の中に水が入り込む危険信号。
すぐに補修を検討しましょう。

 

一般的には塗り替えのさいに、下地処理としてシーリング材の撤去・充填を行います。

 

ただ悪質業者による手抜き工事では、シーリングをそのままに塗り替えをしてしまうというケースも。
古いシーリングがそのままでは建物の寿命が短くなってしまいますから、注意しておきたいですね。

窯業系サイディングに使う塗料の種類

窯業系サイディングに使う塗料の種類
窯業系サイディングに使える塗料は、比較的多いです。

それぞれの塗料の特徴については別記事で詳しく解説しています。

 

アクリルやウレタンは安価ですが寿命が短いので、できればシリコン以上のグレードを使った方が望ましいですね。

 

もともとのサイディングのテクスチャー(質感)を残したいのであれば、無色透明のクリア塗料が良いでしょう。
(参考:ボンフロン水性UVカットクリヤー

 

またシリコン塗料の中でも、ラジカル制御型というタイプは耐久性・耐候性に優れています。
価格も比較的抑えられているので、フッ素塗料だと見積り金額が高すぎる場合には、このラジカル制御型を検討してみましょう。
(参考:1液水性ラジカル制御形ハイブリッド高耐候性塗料 「パーフェクトトップ」 | 製品情報 | 日本ペイント

見積り例

名称 仕様 数量 単位 単価 金額
1.仮設工事
外部足場 くさび式 ブラケットー側 残置1ヶ月 材工共 250 架㎡ 940 235,000
シート養生 メッシュシート防炎1類 残置1ヶ月 〃 250 架㎡ 460 115,000
小計 350,000
2.外壁工事
高圧洗浄 水洗い程度 軒天部含む 手間 160 240 38,400
シーリング撤去 手間 50 m 410 20,500
シーリング 変性シリコーン系 材工共 50 m 910 45,500
下塗り 微弾性下地調整剤 1回 材工共 130 730 94,900
上塗り ラジカル制御型塗料(パーフェクトトップ) 2回 材工共 130 2,930 380,900
小計 580,200
3.外壁付帯工事
軒天部 合成樹脂エマルションペイント 3回塗 30 1,350 40,500
破風板 合成樹脂調合ペイント 2回塗 50 m 720 36,000
小計 76,500
合計 1,006,700
諸経費 合計の15% 151,000
総計 1,157,700

この見積り例は、延床面積約33坪の木造2階建住宅を想定しています。
下地のサイディングの痛みが酷い場合には、別途下地調整が必要になるかもしれません。

まとめ

窯業系に限らず、サイディングの塗り替えは塗料の種類によってかなり工事費用が変わります。
どの程度のグレードが必要なのかを、業者とキッチリ打ち合わせをしておきましょう。
安易に高額な塗料を勧められたら注意してくださいね。

  • チョーキングがでたら塗り替えを
  • シーリングの劣化に注意
  • 塗料の種類ごとの性能を押さえておこう