外壁塗装工事のトラブル事例紹介|泣き寝入りしないためには?

外壁塗装工事のトラブル事例紹介|泣き寝入りしないためには?

外壁塗装工事のトラブル事例紹介|泣き寝入りしないためには?

工事着手前のトラブル事例

工事着手前に出会うトラブルとしては、契約関係のものが多いです。

 

リフォーム業者が自宅を訪問してきて屋根・外壁塗装工事を勧められた

外壁や屋根のリフォームでは、この訪問業者によるトラブルがあとを絶ちません。
屋根や外壁は外から見える部分なので、業者としても目をつけやすい部分です。

 

そこで消費者の不安につけこんで、必要のない工事契約を迫るという手法が横行しています。
基本的にこのような訪問業者は相手にせず、追い返したほうが無難でしょう。

 

もし万が一契約してしまったら、すぐにクーリングオフの手続きをしてください。
契約から8日以内であれば、クーリングオフの対象期間になります。
もし8日を過ぎてしまっても、契約書面に不備があるなどの理由があればクーリングオフが可能ですよ。

 

塗料を自分で購入するように言われた

まともな塗装業者であれば使う塗料は自前で用意するのが普通ですが、まれに施主が自分で塗料を用意しなければ工事できないという業者がいます。
これは施工不良が起きたときの責任を、施主に押し付けるためにやっていること。
まともな業者であるとは言えませんね。

 

契約解除を検討したほうが良いでしょう。
請負契約では原則として、注文者からの契約解除ができます。
ただ解除までに工事が進んでいた場合は、その進捗状況に応じた費用を支払う必要がありますので注意してください。

 

契約後に業者側の都合で契約解除された

安い見積額で契約したものの、業者が職人を確保できないなどの理由で契約解除してくるケースもあります。
前項のとおり請負契約では注文者からの契約解除は認められていますが、請負者からの契約解除は認められていません。
したがって契約解除してきた業者に、債務不履行責任を請求できる可能性があります。

工事中のトラブル事例

工事開始後に見積額より大幅に工費が上がると言われた

見積額に同意をして契約し工事に着手したものの、大幅に工費が上がると言われる事例があります。
本来であれば見積書を作成する前に、業者はきちんと現場を見て状況を確認します。
そのうえで見積額を出しているわけです。

 

ただ中にはほとんど現場をチェックせずに見積額を出すような業者もいますね。
そんな業者との契約はキャンセルしたいところですが、そんなときは消費者契約法第4条第1項による取消を求めることになります。
消費者契約法第4条 - Wikibooks

 

例えば本来なら下地処理をしなければならないのに、業者がそのことについて説明をせずに契約した。そして着手後にそのことを告げて工費増額を請求した。
このようなケースでは取消が認められる可能性が高いでしょう。

 

塗料の匂いで気分が悪く、めまいがする

近年は塗料や接着剤から揮発性のガスが出て、体調を崩してしまう人がいることが問題視されています。
いわゆるシックハウス症候群ですね。
外壁塗装工事でも塗料などにより、気分が悪くなったりめまいがしたりするケースがあります。

 

いわゆるシックハウス対策として、建築基準法で基準が定められています。

  • 建築基準法第28条の2第3号
  • 建築基準法施行令第20条の6・20条の7

ただしこの建築基準法による基準は、居室内と天井裏が対象になっています。
外壁については対象外なので注意してください。

 

もし耐えられないような症状があるのなら、業者が塗料を変更してもらいましょう。
水性塗料であればシックハウス症候群は起こりにくいです。
追加費用がかかるかもしれませんが、仕方ないですね。

 

予定の工期をすぎても、なかなか工事が完了しない

通常の住宅の塗装工事であれば、二週間程度で終わるのが普通です。
それがズルズルと一ヶ月以上伸びているのであれば、業者に確認を求めましょう。

 

その際は証拠が残るように、書面のかたちで要求したほうが良いです。
もし正当な理由がなくて工期が遅延しているのなら、債務不履行を請求できる可能性もあります。

 

隣人からクレームを受けた

塗装工事は独特のニオイを発することがあり、隣人のクレームが起きるケースがあります。
あらかじめニオイが発生する可能性について、きちんと伝えておきましょう。

 

優良業者であれば、隣人への挨拶・説明は欠かさないと思います。

 

また塗料が飛び散って隣家の壁を汚しているようなときは問題です。
普通は足場を設置するときに養生シートをかぶせて、塗料が飛び散らないような対策をします。
しかし相場より安い額で請け負っている業者の中には、このような当然の対策をしないことも。
このときは業者に書面で対応を求めましょう。

工事完了後のトラブル事例

塗装ムラがひどい

塗装工事が完了してから、塗装ムラなどの仕上がりが悪いというケースも散見されます。
このような不具合について契約上求められた品質を欠くときは瑕疵として認められ、瑕疵担保責任を問える可能性があります。

 

ただ塗装ムラがあるというだけで瑕疵担保責任が問えるかは、どちらとも言えません。

  • 契約では塗装するはずだった軒裏・破風板が塗られていない
  • 窓のサッシに塗料が飛び散って汚れてしまった

このようなケースでは瑕疵と認められやすいでしょう。

 

モルタルが一部浮いてきた

モルタル壁は、サイディングの塗装よりも不具合が起こりやすくなります。
モルタルはしっかりラス下地を作った上で施工しないと、浮き・剥がれなどの施工不良になるからですね。
施工した業者に説明して、やり直しを要求してください。

 

ちなみに業者がしっかりと事前調査をして、下地処理を見込んで見積りを出せば、それなりに高い額になるはずです。
安い工事費でとにかく受注しようとする業者だと、このような下地処理を省くことがあります。
見積りの段階で、きちんと確認しておきたいですね。

 

ひび割れ・雨漏り

塗装工事で仕上がりを左右するのは、下地調整という本塗装前の作業です。
古い塗装を剥がしたり、サイディングの劣化部分を補修したりといった下地調整を丁寧に行うことで、本塗装がしっかりと定着してキレイな仕上がりになるのです。

 

もし塗り替え工事の後すぐに塗装のひび割れが出てきたら、下地調整の不足による施工不良の可能性が高いですね。

 

解決方法としては、施工した業者にやり直しを依頼しましょう。
リフォーム瑕疵保険に加入していれば、塗り替え工事の費用も補填される可能性が高いです。

 

また外壁のすき間から雨漏りが起きる場合は、コーキングの劣化が原因のことが多いですね。
外壁の塗り替えと併せて、コーキングの打ち替えをしてもらいましょう。

 

屋根の塗装工事の後に雨漏りが起きてしまう原因のほとんどは、縁切りの不足です。
スレート屋根で縁切りをしておかないと、雨水が屋根内部に溜まってしまうのですね。
スレート屋根の塗り替えについて詳しくは、以下の記事で解説しています。

ひび割れ・雨漏りいずれも放置しておくと危険なので、早めに業者へ連絡しましょう。

 

工事後数年で塗装が剥がれてきた

工事後すぐにはトラブルがなくても、数年経ってから問題が発生する場合があります。
通常の塗装であれば10年以上は保つものですが、数年で剥がれや膨れが出てきたときは施工不良を疑いましょう。

  • 下地調整の不足
  • 塗り回数が少ない
  • 塗料の濃度が薄い

といった理由が考えられます。

 

このような時間が経過した後のトラブルに対処するためには、保証制度のある塗装業者と契約するようにしたいですね。
保証期間は塗料の種類によって異なりますが、3〜10年が一般的です。

トラブルを未然に防ぐには

外壁塗装工事のトラブルを未然に防ぐには、まず怪しい業者を見積もりの段階で見極めることが大切です。
悪徳業者の見分け方については、別の記事で詳しく解説しています。

また複数の業者から見積もりをとる(相見積もり)ことで、より良い業者に出会える可能性が高くなりますよ。

もしトラブルになったら、どこに相談する?

既に塗装工事のトラブルに悩んでいるのなら、以下の公的機関に相談してみましょう。
基本的にすべて無料で電話相談できますから、まずは電話で状況を説明しておくのが良いですね。

 

住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)

リフォーム工事の内容や契約についてのトラブル相談・見積もりチェックなど
電話:0570-016-100(平日10時〜17時)
URL:住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)

 

消費者ホットライン(国民生活センター)

消費生活センターや消費生活相談窓口を紹介してくれる
電話:188(毎日)
URL:国民生活センター

 

法テラス

契約などの法律上のトラブル相談・クーリングオフなど
電話:0570-078374(毎日)
URL:法テラス 公式ホームページ