自宅のサイディング壁を塗り直したいんだけど、どんな塗料があるの?
ひとくちにサイディング用塗料といっても、種類によって耐久性・防汚性などの特徴が異なります。
比較しながら見ていきましょう。
一般的な窯業系サイディングはセメントが原料になっていて、水分を吸い込みやすい性質を持っています。
したがって直接塗料を塗ってしまうと乾く前に吸い込んでしまい、仕上がりにムラが出ることも。
そのようなトラブルを防ぐため通常の外壁塗装では、まず下塗材を使って塗装面を整えます。
下塗材は、シーラーやフィラーと呼ばれることもありますね。
サイディングに使う下塗材は、エポキシ樹脂系が一般的です。
ただサイディングにひび割れが発生しているときは、下塗材を使う前に補修をしておかなければいけません。
ひび割れ部分の補修には、合成樹脂エマルションパテなどが使われます。
外壁塗装工事は2〜4回塗り重ねることが普通ですが、一番最後に塗る塗料を上塗材(トップコート)と呼びます。
最も表面にあるいわゆる仕上げ材なので、一番重要な塗料と言えますね。
上塗材は原料やグレードによって、様々な種類があります。
価格が低い→高い順に見ていきましょう。
アクリル系は古くから使われている塗料で、非常に安価なのが特徴です。
しかし耐用年数は6~8年と短いので、コストパフォーマンスとしては悪いですね。
したがって、現在ではあまり使われなくなりました。
ウレタン系は安価ですが、耐候性・耐摩耗性に優れた塗料です。
弾性があるので、伸び縮みする木部や目地との相性も良いですね。
一般的によく用いられている塗料の一つです。
アクリルシリコン系は、ウレタン系よりもさらに耐候性・防汚性を高めた塗料です。
粘着力が非常に強いので、光沢が長持ちします。
10年以上の耐用年数があるので、コストパフォーマンスは良いですね。
最近ではアクリルシリコン系の中でも、ラジカル制御塗料というものが出てきました。
ラジカル制御塗料は通常のアクリルシリコン系よりもさらに耐用年数が長くなるので、よりコストパフォーマンスに優れると言えるでしょう。
>外壁塗装 シリコン 相場
フッ素系塗料は、現在一般的に使われている塗料の中では最も防汚性や耐久性に優れた素材です。
耐用年数も15年以上になるので、ひんぱんに塗り替えなくても大丈夫。
ただネックは価格の高さ。
アクリルシリコン系よりも3割以上高くなります。
また一旦フッ素系塗料を塗ってしまうと、上から他の塗料を塗ることができません。
フッ素が表面の塗料を弾いてしまうからですね。
したがって次回塗り替えるときも、フッ素系塗料を塗り直すことになります。
遮熱塗料は地球温暖化対策として導入が進んでいる塗料です。
太陽光を反射して建物の表面温度を抑えることにより、冷房費の削減効果が期待できますね。
⇒メーカー各社の遮熱塗料ベスト5を徹底比較!省エネ効果&コスパは?
自治体によっては、この遮熱塗料を使った屋根・外壁の塗装工事に助成金を交付しているケースもありますので、塗り替えを検討する前にチェックしておきましょう。
自宅のある自治体がどんな施策をしているかは、別の記事で紹介しています。
光触媒塗料は最近出てきた新世代の塗料です。
光と反応して汚れを分解するので、フッ素系塗料よりも防汚性に優れていると言われていますね。
耐用年数もフッ素系と同等かそれ以上。
ただしネックになるのは、やはり価格です。
フッ素系塗料よりもさらに高価な塗料です。
光触媒塗料について詳しくは、以下の記事で解説しています。
現在、サイディング壁を施工するときは通気工法といって壁の下にすき間を作る方法が一般的です。
通気工法で施工すると、サイディングが水分を吸って結露するのを防げるというメリットがあるのですね。
しかし90年代に建築された建売住宅の中には、サイディング壁を直張り工法で施工しているものがあります。
直張り工法だとサイディングと構造体の間に隙間がなく、湿気が溜まりやすいというデメリットがあるのです。
この直張り工法のサイディングに塗料を塗ると、水分を吸い込んでしまい、壁が反ったり塗装面が膨れてしまったりというトラブルがあります。
できれば直張り工法のサイディングは、通気工法で張り替えたほうが望ましいです。
ただ現状でそれほどトラブルが無いときは、塗料の種類を選べば塗り替えることも可能ですね。
直張り工法のサイディングに使う塗料は、ガイナ塗料が良いでしょう。
ガイナとは
ガイナ塗料は特殊セラミックを含有した塗料で、一般的な弾性塗料よりも吸い込みが少ないです。
そのうえ断熱性や結露防止効果が期待できるので、直張り工法のサイディングに向いていると言えますね。