スペインなど南欧風のデザインを取り入れた住宅が増えていますよね。
自宅でありながらリゾートに来たかのようなおしゃれ感が味わえます。
この南欧風住宅、新築は無論のことリフォームでも実現できます。
ごく普通の木造住宅を南欧風にイメージチェンジすることも。
既存の住宅を南欧風にリフォームするためのポイントを見ていきましょう。
南欧風にリフォームするためのポイントは、大きく3つ挙げられます。
それぞれ解説していきますね。
南欧風の住宅で特徴的なのは、屋根瓦ですよね。
独特の凸凹があって、日本の瓦とは雰囲気が異なります。
この瓦を一般的にスパニッシュ瓦と呼びます。
名前の由来は、主にスペインで作られているから。
地中海の粘土を原料として、スペインやイタリア・南仏などで多く使われています。
バレル瓦やプロヴァンス瓦という別名もありますね。
このスパニッシュ瓦を日本で使う場合は、輸入品です。
したがって価格面では非常に高くなりますね。
そこでこのスパニッシュ瓦をベースに、日本で改良したものがS形瓦として国内メーカーから販売されています。
S形の生み出す凹凸感はJ形とは異なり、地中海沿岸の建築をイメージさせるような洋風感覚あふれる屋根に葺きあがります。
本家に比べてコスパが良く、施工性も優れているというメリットがありますね。
本家のスパニッシュ瓦にこだわらないのなら、国内産のS形瓦をチョイスするのも良いかもしれません。
商品名 | イメージ | メーカー | 施工単価 |
---|---|---|---|
エスパニカ | 栄四郎瓦株式会社 | 9,500円/㎡~ | |
DCLオールドカントリー | 丸鹿セラミックス | 10,600円/㎡~ | |
スーパートライ110 サンレイ | 株式会社鶴弥 | 8,100円/㎡~ |
上表はスパニッシュ瓦およびS形瓦の製品リストの一部です。
本家のスパニッシュ瓦であれば1㎡当たりの単価は1万円を超えますが、国内産のS形形であれば8,000円程度で抑えられますね。
ここではスーパートライ110 サンレイの設計単価をもとに、見積もり例を出してみました。
名称 | 仕様 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|---|
1.仮設工事 | |||||
外部足場 | くさび式 ブラケットー側 残置1ヶ月 材工共 | 290 | 架㎡ | 1,120 | 324,800 |
シート養生 | メッシュシート防炎1類 残置1ヶ月 〃 | 290 | 〃 | 540 | 156,600 |
小計 | 481,400 | ||||
2.屋根工事 | |||||
古瓦撤去 | 粘土瓦おろし 手間 | 85 | ㎡ | 1,540 | 130,900 |
瓦下地撤去 | 下葺き・瓦桟撤去・清掃・養生 〃 | 85 | 〃 | 690 | 58,650 |
野地補強 | 針葉樹構造用合板 厚12mm 材工共 | 85 | 〃 | 2,480 | 210,800 |
下葺き | 改質アスファルトルーフィング 〃 | 85 | 〃 | 970 | 82,450 |
瓦桟木打ち | 15✕30mm 防腐処理材 〃 | 85 | 〃 | 960 | 81,600 |
粘土瓦 | スーパートライ110 サンレイ 4~5寸勾配 切妻 スタンダードカラー 混ぜ葺き 〃 | 85 | 〃 | 8,100 | 688,500 |
軒先水切り | 軒先耐風L釘止め 〃 | 37 | m | 3,000 | 111,000 |
ケラバ包み | 〃 | 4 | 〃 | 6,000 | 24,000 |
雨押えカバー | ガルバリウム鋼板 t=0.35mm以上 | 5 | 〃 | 5,700 | 28,500 |
雪止め | 〃 | 56 | ヶ所 | 900 | 50,400 |
小計 | 1,466,800 | ||||
合計 | 1,948,200 | ||||
諸経費 | 合計の15% | 292,200 | |||
総計 | 2,240,400 |
ここでは既存の瓦を撤去して葺き替えることを想定しています。
屋根の葺き替えとあわせて、外壁の塗り替えをやっておきたいところですね。
南欧では日差しが強いので、光を反射しやすい白系の外壁色が多いです。
ただ雨の多い日本の気候を考えると、白い外壁は汚れが目立ちやすいというデメリットもありますね。
汚れが目立ちにくく白に近い、ベージュ系が無難でしょう。
塗料は安価な吹付け材でも良いですが、できれば左官仕上げの塗り壁のほうが味わい深くて良いですよ。
商品名 | イメージ | メーカー | 施工単価 |
---|---|---|---|
けいそうファームコート外装 | 四国化成建材 | 7,280円/㎡~ | |
ジョリパットネオ | アイカ工業株式会社 | 4,600円/㎡~ | |
カルクウォール 骨材1.5mm | イケダコーポレーション | 2,988円/㎡~(材料費のみ) |
ここでは一般的に普及しているジョリパットネオで外壁の塗り替えをする前提で、見積もり例を挙げてみました。
名称 | 仕様 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|---|
1.仮設工事 | |||||
屋根工事に含む | |||||
2.外壁工事 | |||||
高圧洗浄 | 水洗い程度 軒天部含む 手間 | 160 | ㎡ | 210 | 33,600 |
厚塗材仕上げ | ジョリパットネオ(JQ-650) T1705 ワイルドランダム仕上げ 材工共 | 130 | ㎡ | 4,600 | 598,000 |
小計 | 631,600 | ||||
3.外壁付帯工事 | |||||
軒天部 | アクリル樹脂非水分散型塗料 2回塗り 材工共 | 30 | ㎡ | 1,330 | 39,900 |
破風板 | 合成樹脂調合ペイント 2回塗 材工共 | 50 | m | 720 | 36,000 |
小計 | 75,900 | ||||
合計 | 707,500 | ||||
諸経費 | 合計の20% | 141,500 | |||
総計 | 849,000 |
足場設置などの仮設工事費については、屋根工事と同時に行うことを前提に省略しました。
ここまで屋根や外壁といった建物本体について見てきましたが、家のデザインを構成するのは建物だけではありません。
といった外構(エクステリア)も重要な要素です。
この外構にも南欧風デザインを上手に取り入れると、より雰囲気が出てきます。
南欧風デザインの家では、玄関周りのアプローチにタイルを使っていることが多いですね。
そのときテラコッタタイルを使うと、より南欧風のイメージに近づきます。
テラコッタとはイタリア語で素焼きという意味で、文字通り素焼きのタイルのこと。
茶色や黄色の自然な色合いで、とても雰囲気がありますね。
基本的には輸入品ですが、日本のメーカーが独自にテラコッタ調タイルを製造していることもあります。
商品名 | イメージ | メーカー | 場所 |
---|---|---|---|
バレンシアコット | LIXIL | 玄関の床 | |
サンベネゼ | LIXIL | 屋外床ほか | |
ヴァンス | ニッタイ工業株式会社 | 屋外床ほか |
見積もり例は以下の通り。
名称 | 仕様 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
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1.タイル工事 | |||||
既存仕上げ撤去 | タイル 手間 | 5 | ㎡ | 2,700 | 13,500 |
モルタル塗り | 木ごて押え タイル下地 厚30mm以下 材工共 | 5 | ㎡ | 3,420 | 17,100 |
磁器質タイル | ニッタイ ヴァンス 300✕300mm 厚10mm 材料費 | 5 | ㎡ | 7,900 | 39,500 |
タイル張り | 圧着張り(モルタル下地) 手間 | 5 | ㎡ | 5,340 | 26,700 |
小計 | 96,800 | ||||
合計 | 96,800 | ||||
諸経費 | 合計の20% | 19,400 | |||
総計 | 116,200 |
既存のタイルを撤去して、モルタル下地をやり直した上でタイルを張っています。
タイルと一緒にレンガを使うのも良いですね。
ただ全面にレンガを使うとコストがかかりますし、デザインもしつこい印象になってしまいます。
塀や外壁の一部に装飾として加えるのが無難でしょう。
その他にも
といったポイントを押さえると、よりデザイン性が増しますね。
予算に応じて、これらのデザインを取り入れてみてください。