南欧風の家へリフォーム|外壁や屋根デザインのポイント3つ

南欧風の家へリフォーム|外壁や屋根デザインのポイント3つ

南欧風の家にリフォームしたい

スペインなど南欧風のデザインを取り入れた住宅が増えていますよね。
自宅でありながらリゾートに来たかのようなおしゃれ感が味わえます。

 

この南欧風住宅、新築は無論のことリフォームでも実現できます。
ごく普通の木造住宅を南欧風にイメージチェンジすることも。
既存の住宅を南欧風にリフォームするためのポイントを見ていきましょう。

 

南欧風住宅にリフォームするためのポイントは3つ

南欧風住宅にリフォームするポイント

南欧風にリフォームするためのポイントは、大きく3つ挙げられます。

  1. 屋根をスパニッシュ瓦葺きにする
  2. 外壁色を白・ベージュ系にする
  3. 外構にタイルやレンガを使う

それぞれ解説していきますね。

 

屋根をスパニッシュ瓦葺きにする

スパニッシュ瓦とは?

南欧風の住宅で特徴的なのは、屋根瓦ですよね。
独特の凸凹があって、日本の瓦とは雰囲気が異なります。

 

この瓦を一般的にスパニッシュ瓦と呼びます。
名前の由来は、主にスペインで作られているから。
地中海の粘土を原料として、スペインやイタリア・南仏などで多く使われています。
バレル瓦やプロヴァンス瓦という別名もありますね。

 

このスパニッシュ瓦を日本で使う場合は、輸入品です。
したがって価格面では非常に高くなりますね。

 

そこでこのスパニッシュ瓦をベースに、日本で改良したものがS形瓦として国内メーカーから販売されています。

S形の生み出す凹凸感はJ形とは異なり、地中海沿岸の建築をイメージさせるような洋風感覚あふれる屋根に葺きあがります。

引用元:S形瓦の特徴/三州瓦の特徴/三州瓦の紹介/瓦Web・愛知県陶器瓦工業組合

本家に比べてコスパが良く、施工性も優れているというメリットがありますね。
本家のスパニッシュ瓦にこだわらないのなら、国内産のS形瓦をチョイスするのも良いかもしれません。

商品名 イメージ メーカー 施工単価
エスパニカ エスパニカ 栄四郎瓦株式会社 9,500円/㎡~
DCLオールドカントリー DCLオールドカントリー 丸鹿セラミックス 10,600円/㎡~
スーパートライ110 サンレイ

DCLオールドカントリー

株式会社鶴弥 8,100円/㎡~

上表はスパニッシュ瓦およびS形瓦の製品リストの一部です。
本家のスパニッシュ瓦であれば1㎡当たりの単価は1万円を超えますが、国内産のS形形であれば8,000円程度で抑えられますね。
ここではスーパートライ110 サンレイの設計単価をもとに、見積もり例を出してみました。

名称 仕様 数量 単位 単価 金額
1.仮設工事
外部足場 くさび式 ブラケットー側 残置1ヶ月 材工共 290 架㎡ 1,120 324,800
シート養生 メッシュシート防炎1類 残置1ヶ月 〃 290 540 156,600
小計 481,400
2.屋根工事
古瓦撤去 粘土瓦おろし 手間 85 1,540 130,900
瓦下地撤去 下葺き・瓦桟撤去・清掃・養生 〃 85 690 58,650
野地補強 針葉樹構造用合板 厚12mm 材工共 85 2,480 210,800
下葺き 改質アスファルトルーフィング 〃 85 970 82,450
瓦桟木打ち 15✕30mm 防腐処理材 〃 85 960 81,600
粘土瓦 スーパートライ110 サンレイ 4~5寸勾配 切妻 スタンダードカラー 混ぜ葺き 〃 85 8,100 688,500
軒先水切り 軒先耐風L釘止め 〃 37 m 3,000 111,000
ケラバ包み 4 6,000 24,000
雨押えカバー ガルバリウム鋼板 t=0.35mm以上 5 5,700 28,500
雪止め 56 ヶ所 900 50,400
小計 1,466,800
合計 1,948,200
諸経費 合計の15% 292,200
総計 2,240,400

ここでは既存の瓦を撤去して葺き替えることを想定しています。

 

外壁色を白・ベージュ系にする

南欧風住宅の外壁色はホワイト・ベージュなど

屋根の葺き替えとあわせて、外壁の塗り替えをやっておきたいところですね。

 

南欧では日差しが強いので、光を反射しやすい白系の外壁色が多いです。
ただ雨の多い日本の気候を考えると、白い外壁は汚れが目立ちやすいというデメリットもありますね。
汚れが目立ちにくく白に近い、ベージュ系が無難でしょう。

塗料は安価な吹付け材でも良いですが、できれば左官仕上げの塗り壁のほうが味わい深くて良いですよ。

商品名 イメージ メーカー 施工単価
けいそうファームコート外装 けいそうファームコート外装 四国化成建材 7,280円/㎡~
ジョリパットネオ ジョリパットネオ アイカ工業株式会社 4,600円/㎡~
カルクウォール 骨材1.5mm カルクウォール イケダコーポレーション 2,988円/㎡~(材料費のみ)

ここでは一般的に普及しているジョリパットネオで外壁の塗り替えをする前提で、見積もり例を挙げてみました。

名称 仕様 数量 単位 単価 金額
1.仮設工事
屋根工事に含む
2.外壁工事
高圧洗浄 水洗い程度 軒天部含む 手間 160 210 33,600
厚塗材仕上げ ジョリパットネオ(JQ-650) T1705 ワイルドランダム仕上げ 材工共 130 4,600 598,000
小計 631,600
3.外壁付帯工事
軒天部 アクリル樹脂非水分散型塗料 2回塗り 材工共 30 1,330 39,900
破風板 合成樹脂調合ペイント 2回塗 材工共 50 m 720 36,000
小計 75,900
合計 707,500
諸経費 合計の20% 141,500
総計 849,000

足場設置などの仮設工事費については、屋根工事と同時に行うことを前提に省略しました。

 

外構にタイルやレンガを使う

ここまで屋根や外壁といった建物本体について見てきましたが、家のデザインを構成するのは建物だけではありません。

  • 家を囲んでいる塀
  • 門扉
  • 玄関までのアプローチ

といった外構(エクステリア)も重要な要素です。
この外構にも南欧風デザインを上手に取り入れると、より雰囲気が出てきます。

 

アプローチにはテラコッタタイルが良い

南欧風の家 テラコッタタイル

南欧風デザインの家では、玄関周りのアプローチにタイルを使っていることが多いですね。
そのときテラコッタタイルを使うと、より南欧風のイメージに近づきます。

 

テラコッタとはイタリア語で素焼きという意味で、文字通り素焼きのタイルのこと。
茶色や黄色の自然な色合いで、とても雰囲気がありますね。

 

基本的には輸入品ですが、日本のメーカーが独自にテラコッタ調タイルを製造していることもあります。

商品名 イメージ メーカー 場所
バレンシアコット バレンシアコット LIXIL 玄関の床
サンベネゼ サンベネゼ LIXIL 屋外床ほか
ヴァンス ヴァンス ニッタイ工業株式会社 屋外床ほか

見積もり例は以下の通り。

名称 仕様 数量 単位 単価 金額
1.タイル工事
既存仕上げ撤去 タイル 手間 5 2,700 13,500
モルタル塗り 木ごて押え タイル下地 厚30mm以下 材工共 5 3,420 17,100
磁器質タイル ニッタイ ヴァンス  300✕300mm 厚10mm 材料費 5 7,900 39,500
タイル張り 圧着張り(モルタル下地) 手間 5 5,340 26,700
小計 96,800
合計 96,800
諸経費 合計の20% 19,400
総計 116,200

既存のタイルを撤去して、モルタル下地をやり直した上でタイルを張っています。

 

部分的にレンガを取り入れる

南欧風 家 レンガ

タイルと一緒にレンガを使うのも良いですね。
ただ全面にレンガを使うとコストがかかりますし、デザインもしつこい印象になってしまいます。
塀や外壁の一部に装飾として加えるのが無難でしょう。

その他にも

  • 垂れ壁などに曲線を取り入れる
  • 鉄製の格子を使う
  • 玄関ドアを木製にする
  • 妻飾りをつける

といったポイントを押さえると、よりデザイン性が増しますね。
予算に応じて、これらのデザインを取り入れてみてください。