外壁 塗装 色

色の属性から考える失敗しない色彩計画

家を塗装するときに「どんな色を選ぶか?」と考えるプロセスを、色彩計画と呼びます。
特に屋根や外壁は他人から見られる部位でもあり、慎重に色彩計画する必要があります。

  1. 周囲の街並みと調和しているか?
  2. 飽きないか?

という観点から考えていきましょう。

 

ここでは失敗しない色彩計画について分かりやすく解説していきます。

色相が近いものを選ぶ

色相というと難しく感じるかもしれませんが、

  • オレンジ系
  • 青系
  • グリーン系

といった大まかな色味のことです。

色相環

上のような色相環として表されることが多いですね。

 

この色相環の中で位置が近い色同士は、色相が近く調和しやすいです。
逆に位置が離れるにしたがって、調和しにくい色になっていきます。
色相環の真反対にある色は補色と呼ばれ、組み合わせるとアクセントの強い配色になります。

 

基本的に家の外観は調和しやすい落ち着いた配色にしたいですよね。
したがって色を組み合わせるときは、なるべく色相が近い色を選ぶと良いでしょう。

 

彩度は3以下に抑える

彩度とは文字通り、色の鮮やかさのこと。

彩度の例

彩度が高いほど色は鮮やかになり、存在感が増します。

 

高彩度の色はインパクトが強い反面、使い方を誤ると失敗しやすいというリスクがありますね。
したがって家の塗装で使う色の場合は、なるべく彩度が低いものを選びましょう。

 

 

どうしても高彩度の色を使いたければ、面積の小さい部分にアクセントカラーとして活用するのが無難です。

 

明度が高いと汚れが目立つ

明度は色の明るさ

明度の例

明度が高くなるにつれ、白に近づきます。

 

高明度の色は明るく清潔感がありますが、その反面汚れが目立つというデメリットがありますね。
笠木や排気口の周りなど、汚れやすい部分に高明度の色を使うときは注意してください。

 

また明度が低い色は黒に近づくので、熱を吸収しやすいです。
真夏の太陽光を受けて熱が溜まり、冷房効率が悪くなるというリスクもあります。

 

基本的には明度の高い色をベースにして、汚れやすい部分には黒っぽい(低明度の)色を使うのがオススメです。

どうやって外壁の色を選べば良いの?

実際に塗装業者と色選びを行うときの、基本的な方法について解説しています

 

実際の施工写真を見る

優良業者であれば、過去の施工写真をファイルしているはずです。
実際にその業者が施工した事例を見せてもらうわけですから、説得力が違いますよね。
その業者がどれだけ丁寧な仕事をしているかも分かります。
ぜひ施工写真を見せてもらいましょう。

 

カラーシミュレーターを使う

資本規模の大きな塗装業者だと、事務所にカラーシミュレーターを備え付けていることもあります。
手軽に様々な配色をシミュレーションできるのは便利ですね。

 

ただディスプレイで見る色と実際に塗った色では、どうしても差異があります。
あくまでも参考程度に留めておいたほうが無難ですね。

 

色見本から選ぶ

塗装業者と色選びについて打ち合わせするときに、色見本帳というのを見せられると思います。

日本塗料工業会の色見本帳

-JPMA:2019年K版 塗料用標準色より引用-

代表的な日本塗料工業会の色見本帳では、計654色が掲載されています。
ただこの膨大な色数から選ぶのは、非常に大変な作業ですね。

 

そこでオススメしたいのが、塗料メーカーの基本色から選ぶということ。

関西ペイントの標準色

-関西ペイントのカタログより引用-

各メーカーでは基本色(または標準色)として20~30色を用意しています。
実際の製品の色なので再現性が高いですし、ニーズが高いベーシックな色が揃っています。
原則としてこの基本色から選べば、なんかイメージと違うといったトラブルが少なくなるでしょう

 

塗り板サンプルを見る

サイディング材などに塗料を塗ったものを、塗り板サンプルと呼びます。
実際の外壁材に塗ったものですから、かなり現実の仕上がりに近いものが得られるでしょう。
ただ小さい塗り板サンプルの場合は、後述する色彩の面積効果に注意する必要があります。

色選びで注意すべきポイント

色選びの基本を押さえたところで、具体的に注意すべきポイントをまとめてみました。

ご近所の家を参考にする

周囲とのバランスを考えた色彩計画を意識しよう

外壁・屋根の色を選ぶ上で、周囲の家を参考にするのは欠かせません。
家は単独で建っているのではなく、街並みの中で調和しているものだからですね。

 

したがって個人の家だからといって、好き勝手な色に塗ってしまうと周囲から浮いてしまうでしょう。

 

以前、漫画家の楳図かずお氏が赤白ボーダーの派手な外観の家(まことちゃんハウス)を建てて話題になりましたね。
地域の景観を乱すとして裁判沙汰にもなりました。
結果としては楳図氏の勝訴となったわけですが、ご近所との軋轢は残ってしまったようです。
現在楳図氏はまことちゃんハウスに住んでいないとのこと。

まことちゃんハウスを訪ねると、ボーダー柄の外壁は煤けて見えた。植えられた木々は手入れされた様子がなく、外から家が見えづらいほど生い茂っている。

引用元:楳図かずお、“まことちゃんハウス”から引っ越していた! (週刊女性PRIME)

周囲とのバランスを保つことが大切だと思い知らされます。

 

色の面積効果を考慮する

塗装色を選ぶときには、前述の通り色見本帳などを参考にするのが普通です。
しかし面積の小さなサンプルで色を選び、実際に大きな壁面に塗ってみると、かなり印象が変わることに気づくでしょう。
これを面積効果と呼びます。

色彩の面積効果の例

完成した壁や床などを見ると、その色は小さなサンプルよりも明るく、派手に変化して感じられる。

この現象は「色彩の面積効果」と呼ばれている

引用元:壁面色の面積効果に関する研究

つまり実際に外壁塗装で塗った色は、より明るく&より派手に見えるということですね。
つまり明度と彩度が上がったように錯覚するのです。
したがって色見本帳などで選ぶときは、やや暗め&彩度の低い色を選ぶほうが無難ですね。

 

また色相によっても、面積効果が異なります。

同じ面積なら,黄,緑,青系の色よりも赤系の色がよく目立つこと,

さらに赤系の色は小さい面積でも他の南系や緑系の大きい面積の色刺激よりもよく目立つ

引用元:色の目立ちの面積効果

赤系統の色は、他の系統と比較して面積効果が高くなるということですね。
赤系統の彩度が高い色を使うのは、かなり難しいですね。

 

サッシやドアとのバランスを考えよう

外壁と窓サッシとのバランスに注意しよう

意外に見過ごされがちなのが、窓のサッシや玄関ドアとのバランスです。
金属製のサッシやドアは塗装し直すことが難しいので、色を変えることはできません。
したがって外壁の色を変えた結果、サッシとのバランスが悪くなってしまうという失敗例をよく見かけます。
各パーツの色の相性を考えながら、色彩計画をしていきましょう。

 

色だけでなく艶(ツヤ)も大事

外壁塗装で気にするべきは色だけでなく、艶(ツヤ)も大事なポイントです。
建築用塗料は基本的に艶がありますが、各メーカーでは艶を抑えたバリエーションを展開しています。

艶の種類

グロス値
(光沢度)
艶有り 70以上
七分艶 60前後
五分艶 35前後
三分艶 15前後
艶消し(マット) 5以下

艶ありだとピカピカとしてきれいですが、反面で落ち着かない印象を持つ人もいることでしょう。
艶なしだと落ち着いたイメージになります。
ただ注意したいのが、艶なしのほうが耐候性が低く汚れやすいということ。
耐久性を求めるならば艶ありを選んでおきましょう。

人気カラーは汚れが目立たない色

それでは実際に外壁塗り替えを行ったユーザーに、どんな色が選ばれているのか?

 

定番の人気カラーは、

無難で落ち着いた色
汚れが目立たない

という特徴があります。

 

グレー系

グレー系の外壁

グレー系といっても、濃淡によってだいぶ印象が異なりますね。
あまり濃いグレーにしてしまうと、重い感じになってしまいます。
また黒に近い色は、夏の直射日光で熱が吸収されやすいことにも注意してください。

ベージュ系

ベージュ系の外壁

ベージュ系は清潔感があり、人気がある色ですね。
ただ白に近いベージュになると、汚れが目立ちやすいので注意しておきましょう。

ブラウン系

ブラウン系の外壁

ブラウン系は汚れが目立たないというメリットがあります。
基本をベージュにして、部分的にブラウンを使うという配色もよく見かけますね。

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