屋根塗装の相場💰 坪単価を詳しく解説|遮熱塗料の色で省エネ効果が変わるって本当?

屋根塗装の相場💰 坪単価を詳しく解説|遮熱塗料の色で省エネ効果が変わるって本当?

屋根塗装の相場を知る

屋根の塗装工事といっても、実際にどのくらいの費用がかかるのか普通には分からないですよね。
一般的な木造住宅でどれくらいの費用がかかるのか?表にしてみました。

 

屋根塗装工事の概算見積もり表

延べ床面積 塗り面積 概算見積り額
20坪(66.1㎡) 61.9㎡ 660,700円
21坪(69.4㎡) 65.0㎡ 693,700円
22坪(72.7㎡) 68.1㎡ 726,800円
23坪(76㎡) 71.2㎡ 759,900円
24坪(79.3㎡) 74.3㎡ 793,000円
25坪(82.6㎡) 77.4㎡ 826,100円
26坪(86㎡) 80.4㎡ 858,100円
27坪(89.3㎡) 83.5㎡ 891,200円
28坪(92.6㎡) 86.6㎡ 924,300円
29坪(95.9㎡) 89.7㎡ 957,400円
30坪(99.2㎡) 92.8㎡ 990,500円
31坪(102.5㎡) 95.9㎡ 1,023,500円
32坪(105.8㎡) 99.0㎡ 1,056,600円
33坪(109.1㎡) 102.1㎡ 1,089,700円
34坪(112.4㎡) 105.2㎡ 1,122,800円
35坪(115.7㎡) 108.3㎡ 1,155,900円
36坪(119㎡) 111.4㎡ 1,189,000円
37坪(122.3㎡) 114.5㎡ 1,222,100円
38坪(125.6㎡) 117.6㎡ 1,255,100円
39坪(128.9㎡) 120.7㎡ 1,288,200円
40坪(132.2㎡) 123.8㎡ 1,321,300円

この概算見積もり額は、

  • 木造住宅二階建て
  • 化粧スレート屋根
  • 遮熱塗料
  • 屋根勾配は四寸五分

という条件で計算しています。
ただこの見積もり額はあくまでも概算なので、参考程度に留めておいてください。

 

⚠屋根勾配によっては相場より高くなる

屋根塗装工事の相場価格で知っておきたいのが、屋根の勾配との関係です。
一般的に屋根勾配は立面図で確認できますが、四寸五分や五寸といった表記をされています。

屋根勾配

この屋根勾配がキツくなると、屋根塗装工事の難度が上がるので工事費も高くなる傾向にあります。

 

先ほどの概算見積もり額は四寸五分の屋根勾配を想定していますが、勾配が六寸以上になると概ね10%程度の費用が上乗せされると考えてください。

相場価格の単価・内訳を詳しく知る

前項ではざっくりとした相場観を見てきましたが、次にもう少し細かく説明していきましょう。

 

足場設置などの仮設工事費|足場なしの屋根工事は危険⚠

屋根工事は高所作業という特性上、足場を組んで作業することになります。
高所作業における足場設置については労働安全衛生規則によって定められていて、近年では非常に厳しくなりました。

 

労働安全衛生規則の一部を改正する省令(足場からの墜落防止対策の強化関係)について | 静岡労働局

 

したがってコストカットのために足場設置を省略するのは、原則として違法です。
もし工事現場で転落事故が起こった場合には、発注側の責任問題にもなりますね。

 

見積もり段階で仮設工事(足場設置・撤去など)の項目があるかどうか、しっかりと確認しておきましょう。

 

また塗装工事の場合は特に、足場を覆う養生シートが必須です。
飛散した塗料が隣家を汚してしまい、損害賠償することになったら大変ですからね。

 

仮設工事で足場を設置するのは、壁面から1m程度離れた位置にするのが一般的です。
したがって足場設置面積(掛㎡)は、外壁面積より大きくなります。
面積あたりの単価は以下の通りです。

掛㎡あたり単価(円/掛㎡)
足場 900〜1,000
養生シート 400〜500

屋根塗装工事だと、どうしても仮設工事費が高くなってしまうのは仕方ないですね。

 

少しでも工事費を抑えるテクニックとして、屋根と外壁の塗装工事を同時に行うというものがあります。
屋根工事でも外壁工事でも、同様の足場を設置しなければなりません。
だから屋根と外壁の工事をいっぺんにやれば、足場設置は一回で済むというわけですね。

 

洗浄・下地調整には大事な役割がある

塗装をする前段階として、洗浄と下地調整という作業があります。
洗浄では高圧洗浄機で汚れを落とし、下地調整では付着物やサビを取り除く作業をします。

 

この洗浄・下地調整をおろそかにすると、せっかく塗装しても寿命が短くなります。
したがって非常に大事な工程だと言えますね。

 

特に金属製の屋根はサビが発生しやすいので、劣化状態によってはケレンと呼ばれる研磨作業をしなければいけません。
化粧スレート屋根より金属屋根のほうが、下地調整の費用がかかる傾向にあります。

塗装面積あたり単価(円/㎡)
高圧洗浄 200〜300
下地調整
(化粧スレート屋根)
500〜600
下地調整
(金属屋根)
1,000〜1,200

手抜き工事をする悪徳業者の場合、この洗浄や下地調整を簡略化することも多いので気をつけましょう。

 

塗料の種類による価格差が大きい

屋根塗装工事も外壁ど同様に、塗料のグレードによって工事費が大きく変わります。

塗装面積あたり単価(円/㎡) 耐用年数
ポリウレタン系 2,000〜2,500 〜10年
シリコン系 2,500〜3,000 〜15年
フッ素系 3,000〜3,300 〜20年
遮熱塗料 2,600〜3,500 〜20年

基本的にはグレードの高い塗料ほど、高機能で耐久性が高いです。

オススメの塗料は遮熱塗料

先ほど塗料の種類について軽く触れてましたが、補足したいと思います。

 

いくつか塗料のグレードがありますが、それなりに単価の高い塗料を選んだほうが良いでしょう。
高い塗料は耐用年数が長く、次の塗り替えまでの期間を延ばすことができますから。

 

最近私が特にオススメしているのが、遮熱塗料ですね。
遮熱塗料は太陽光を反射して、夏季の温度上昇を抑える効果があります。
エアコンの使用量を抑えられるので、電気代の節約につながりますね。
屋根に遮熱塗料を使ったときの効果については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

また各自治体ではヒートアイランド抑制の取り組みの一環として、遮熱塗料による屋根や外壁塗装工事の一部を補填する、補助金や助成金の制度を設けていることもあります。

見積もりのときに業者と相談しておくと良いでしょう。

塗料の色と省エネ効果の関係とは?

屋根の色で人気があるのは、グレーブラウンの暗色系ですね。
白などの明るい色は、汚れが目立ちやすいので基本的にはオススメできません。

 

しかし先ほど触れた遮熱塗料の場合、明るい色ほど太陽光を反射しやすくなるので、遮熱効果が高まります。

屋根の色と遮熱効果の関係

もし遮熱塗料を使うのなら、なるべく白に近い色を選びたいですね。

年数と劣化状況によって屋根のメンテナンス方法は変わる

屋根といっても、様々な種類がありますね。

  • 瓦屋根
  • スレート屋根
  • 金属製屋根

どのくらいの年数で屋根のメンテナンスをするべきか?
表にまとめてみました。

化粧スレート 金属
点検 5年ごと 5年ごと 7~10年ごと
塗り替え 10~15年 15~20年
葺き替え 25~30年 30年 25~30年

ここから、代表的な屋根のメンテナンス方法について見ていきましょう。

 

瓦屋根の場合

瓦は昔からある伝統的な屋根材です。
以前は地震や災害などに弱いイメージでしたが、現在のガイドライン工法で施工された瓦屋根は耐震性に優れています。
全日本瓦工事業連盟によるガイドライン(PDF)
瓦自体が強度が高く、釉薬を施しているので再塗装の必要がありません。

 

しかし以下のような場合は、部分差し替え。全面葺き替えなどのメンテナンスが必要です。

  1. 瓦が部分的にズレている
  2. 瓦が破損している
  3. 棟の瓦ズレ

 

化粧スレート屋根の場合

現在もっとも普及している化粧スレート屋根は、耐久性・メンテナンス性ともに優れた屋根材です。
セメント製なので、サビの心配もありません。
ただ屋根材を固定している板金部は金属製なので、サビに注意しておきましょう。

 

板金留め釘のゆるみ

棟部分の板金を固定している釘が緩んでしまうと、雨水が浸入してしまう危険があります。
このような場合は胸部分を交換することになります。
もし下地まで水が浸入していたら、下地の防水シートも含めた交換作業になりますね。

 

板金不良

板金の割れ・サビなどの不良も、雨漏りリスクを高めます。
先ほどと同様に、交換作業をしましょう。

 

退色・割れ

スレート部が経年劣化で退色してしまった場合は、塗り替えで済みます。
ただ割れてしまうと雨水浸入リスクがあるので、部分的な葺き替え・全面葺き替えで対応します。

 

カビ・コケ

陽の当たらない北側の屋根は、湿気が残りやすくカビ・コケが発生することもあります。
しっかり下地調整をした上で塗り替えるか、全面葺き替えで対応しましょう。

 

トタン・折板屋根などの金属製屋根

住宅ではあまり見かけなくなりましたが、工場・倉庫ではトタン・折板屋根などの金属製屋根が現役です。
安価で耐久性も高い金属製屋根ですが、どうしてもサビには弱いです。
サビが浮いてきたら、しっかりケレン(研磨)した上で塗り替えるほうがよいでしょう。

 

雨どい

屋根本体よりも痛みが出やすいのが、雨どいです。
雨どい台風や雪などの災害で破損しやすい部分ですね。
また落ち葉が詰まったりといったトラブルも起きやすいです。

 

破損したままだと雨水が下水道まで流れなくなり、雨漏りの原因となってしまうことも。
状況に応じて補修や架替えをしておきましょう。

 

劣化が進んでいる場合は葺き替えを検討しよう

築30年以上経過していたり、屋根の劣化が進んでいる場合は、全面的な葺き替えを検討しましょう。
屋根葺き替え工事の相場は、延べ床面積30坪の木造2階建て住宅を化粧スレート屋根にすると、おおよそ250万円程度かかります。
かなり大規模なリフォーム工事になることを覚悟しておきましょう。

 

カバー工法は古いアスベスト含有スレート屋根に有効

古い屋根を撤去するのではなく、上から新しい屋根材で覆うカバー工法(重ね葺き)という方法もあります。
カバー工法であれば、古い屋根材の撤去・処分費用がかからないので、葺き替えよりも工費が安く済みます。
古い化粧スレート屋根にはアスベストが含まれているものがあり、撤去や処分で莫大な費用がかかることがあるのですね。
そのような古い屋根の改修法として、このカバー工法が有効です。
ただカバー工法だと屋根全体の重量が増すので、柱など構造部が耐えられることを確認しておきましょう。

屋根のメンテナンスをすることで、家の寿命が延びる

最初でも触れましたが、屋根は家の寿命を決定づける大切な部位です。
屋根が傷んだまま放置していると、家全体が傷んで寿命が短くなってしまいます。
こまめな点検&メンテナンスで、家を健康的に保ちましょう。